草原句会 

2019/02/15
Fri. 10:22

草原句会の選者をさせていただきました。
わたしからのお題は「肝臓」。どうしても酒がらみ
の句が多くなってしまうのはわかる。わかるんだけ
ど、もっとへんてこりんな肝臓がほしかったなあ。


運命に巻きつけておく青みどろ  (巻く)
包帯をぐるぐる巻いて聖地巡礼
まつ毛巻くみんなぷるっぷるの未遂
コオロギにイデオロギーについて聞く (アホ)
このさきは春の藻屑になる阿呆
アホかわいいが横でしじみの身を食べる
肝臓に草間弥生の水玉が (肝臓)
コスト削減パウンドケーキ肥大して  (コスト)
てきぱきと一筋縄を抱き寄せる
少なくとも斧の数だけ家を買う
声色を変えては遊ぶ出産シーン  (雑詠)
ひかがみのすり減ってゆく郵便受
大便と小便が出るいっぺんに

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いだてん 

2019/02/12
Tue. 10:46

今年に入って特に出かける予定のない日はウォーキ
ングに行くようにしているのですが、だんだんその
距離が短くなってきて、これではいかんなと思い、
もう少しエネルギーを消費しようと走ったら、自然
とスッスーハッハーと息をしてしまい、いだてんや
ん!ってなりました。

鳥手羽を揚げ焼きしようとフライパンに放射状に
手羽先をならべたら、いだてんのやつ(横尾忠則
がデザインした足がぐるぐる回るやつ)やん!
ってなりました。

って書いたらめっちゃいだてんにハマってる人みた
いですが、ちがうんです。クドカンと横尾忠則が好
きなだけなんです。


  いだてんに踏んづけられた虫の数  ようこ

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日々是妄想 

2019/01/31
Thu. 14:59

この前うっすらと初積雪して、小さいゆきだるまを
作ったんだけど、なんか続きがほしくなるよね。
ゆきだるまが溶けてきて形もおかしくなったとこに
おまわりさんが来て職質開始。
「ちょっと、こんなとこで何してるんですかー。」
「…」「名前は?」「…」「年齢は?」「…」
「仕事はなにしてるのー?」「ゆきだるま」
「自称ゆきだるま、と。」

ある日ふと「エロ酢」という言葉を思いついた。
何と合わせるのがいいかな。やっぱなまこかな。
タコもいいな。えっとこれはなにから取ったお酢か
な?そらもうあやしい果実やろ。なかなか人が行か
れへんような秘境にしかなってへんやつ。

という風に日々是妄想で過ごしているわけですが、
このあいだ母と電話で話をしていて、
母「この前パソコンに、バイキンに侵されます、
みたいなのが出てきて焦ったのよ。」
私「あ、うん、ウイルスな。」

やっぱり現実のおもしろさには勝たれへん。


 ロシアから貰うすもももふとももも  ようこ



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スパイラル句会 

2019/01/21
Mon. 17:39

短歌、俳句、詩、連句とさまざまなジャンルの方が
入り交じる句会でした。
若くて聡明な方たちの話に頭がついていけない自分
がもどかしくてなさけなくてかなしいけど、新しい
こと新しい川柳をおもしろがれる人間でいたいなあ
と思った会でした。
あと、自分の感じたことをもっとわかりやすく、的
確に伝えられる大人になりたいです。(←こういう
とこからな)


血の滲むくちびる体操服に咲く  (滲む)
紙人形、別れめと言うときだけ黒目 (雑詠)


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初勉強会 

2019/01/16
Wed. 13:44

事前投句で事前選句(互選)で、そのすべてがうち
だされたものを当日渡され、最後に作者名の入った
もう1枚を配られる。呼名もなし。席題もなし。
時間のムダをとことんなくしみっちりと。事務局の
方々には頭の下がる思いでいっぱいです。

この日のおもしろかったこと。

ゲストの中田剛さんが色々とおもしろかった。一見
むなしいと思えることを楽しめるってなんてエクセ
レント!と思いました。

「斑描」という言葉の入った句があって、わたしを
含め3人が抜いてたんですが、まず1人が「はんみょ
う」(昆虫の)として句評し始めたんですね。え!
斑猫じゃないのか?うわー、やっちまったぜー。
でわたしの番がきて、「まだらねこと読んでしまい
ました。」と言いましたところ、なんともう1人も
「私も!」って言わはったんですね。
で、その後は昆虫のはんみょうとして話をしてた
んだけど、最後に作者が分かって聞いたところ、
作者本人は「まだらねこ」のつもりだったという。
さらに家で虫のはんみょうの漢字を調べたら「斑
猫」で結局全員「斑描」を「斑猫」と読んだのはま
ちがいではなかったという、もうなにがなんやらと
いうおもしろい話。

この日、ワンピースを着ていったら「エヴァンゲリ
オンみたい。」って言われたんですね。エヴァンゲ
リオンをよく知らないので、なんとも反応しづらか
ったんだけど、帰って画像検索してみたら…なるほ
どな…ってなりました。


初雪やおでこがちょうどいい広さ  (白)
白椿痛みに堪えきれずモルヒネ
とらふぐのさもありなんと横たわる (雑詠)
行く先をたずねる鳩のホストめく



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めるくまーる(卵2句) 

2019/01/10
Thu. 13:52

わたしはあまり卵を食べない。週に1個食べるか食
べないか。あまり食べないのはたぶん、冷蔵庫の卵
置き場がちょうどわたしの死角になっていて、ごは
ん何にしようかなあと冷蔵庫を見渡しても、卵が目
に入らなくて、あ、卵、ってならないという単純な
理由。だけどなんとなく食べきると買ってくるので
冷蔵庫にはいつも卵が入っている。


  今家に卵は何個あるでしょう  樋口由紀子


突拍子すぎて、とりあえずなんか答えそうになるけ
ど、よそ様のお宅の卵事情なんかわかるはずないし
この質問にまともに答えること自体野暮だとわかっ
ていてあえて聞いてくる押しの強さが作者であり卵
のさりげなさなんだと思う。

(卵といえばまずにわとりの卵を思いうかべたわた
しだけど、めだかの卵の可能性だっておおいにある
わけで、でもめだかの卵だったらめだかの卵と書く
よね。)


  なにもない部屋に卵を置いてくる  由紀子


なにもない部屋が一変して卵のためだけの部屋にな
る。偶然ではなく人的で意図的に置かれたことの意
味を考えさせられる〈置いてくる〉。なにもない部
屋にはたして次はいつ、誰が、来るのか。もしかし
たら次に来るのは卵を置いた本人かも。そこが、卵
をこっそりひとり抱くための卵部屋だとしたら…。


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おーみそか 

2018/12/31
Mon. 22:05

この前、『牛鍋はじめました』っていう張り紙を
『蝸牛はじめました』って空目したんですね。
川柳をしてなかったらかたつむりを蝸牛て書くなん
て知らなかった人間なんですよ。
そのくせ、つい最近まで菫(すみれ)をわらびと読
んでいたんだから、川柳なんてそんなもんかもね。

  
   かたつむり太る紅白歌合戦    ようこ

よいお年を!


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少年 

2018/12/21
Fri. 12:17

この季節、むしょうに聴きたくなる音楽がある。
リベラだ。そう、あれ。ユニバのクリスマスのCM
に使われてるやつ。動画検索してクリック。音楽が
始まる前にすばやくパソコンの前から離れるのは、
映像を見てしまったら終わりだから。少年に奪われ
る、目が心が時間が。音楽を流しながら朝の体操
とか掃除とかこなしていく。ちょっとだけ、ちょっ
とだけだからと自分に言い聞かせながらちょっとだ
け眺める。ああ、この古屋兎丸感。少年という特別
な性の、いきもの。


  くちびるに羽のない少年連鎖  ようこ

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2018/12/11
Tue. 10:49

女の人が「産まれそうです。」と言う。「どうしま
しょう、こんなに早く産まれる予定ではないので
す。」と言う。見ると30センチばかり開いた両足
のあいだから、たしかに何か産まれそうな気配がた
だよっている。あわててかけよって何かを受け止め
る。犬だ。ぬめぬめと羊水にまみれ、しかしそれは
いわゆる赤ちゃん犬ではなく、すでに4、5㎏はあ
りそうな犬だった。父親は犬なのかと思っていると
「まだ早い。産まれるにはまだ早いから、戻しま
す。」と言って、その人はまた30センチばかり開
いた足のあいだからその犬を子宮に戻した。なまぐ
さくてたまらなかった。


  不浄なる犬に代わって夢を見る   ようこ


  

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Υ(ユプシロン) 

2018/12/05
Wed. 14:56

俳句の合同作品集ユプシロンより。


   きのこ図鑑こっそり弟の棚へ   仲田陽子


胞子をまきちらし、じめじめとしゅるしゅると増殖
する弟への愛とともに進化してゆく姉のいたずら。
きのこ好きとしては、こうやってきのこの美しさ、
可愛さ、卑猥さ、暗さ、静かさを思う存分悪用され
るとうれしい。陽子さんの内側にそんなきのこが生
えていると確信する。


   誰が見るクヌギタケ咲く扁桃腺  ようこ







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2019-02