こしょうがつ。 

2017/01/15
Sun. 11:46

じゃりっとしてつるっとしたものが無性に食べたくなる。
歯をたて齧った瞬間じゃり。齧り取ったものが口に転がった瞬間つる。
それから咀嚼。じゃり、つる、じゃり、つる。
そんな食べ物。
想像できる中で一番近いものはこんにゃくだけど、それにはじゃりが足りない。


水が足りない。
更年期外来に行ったほうがいいのかなあというくらい寝汗をかくようになった。
この前はひどくて4、5回夜中に目が覚めた。枕元には汗拭きタオル必須である。
それだけ汗をかくので喉もかわく。夜中に水分なんて取ったことなかったので
いちいち飲みに行くのは億劫で、すぐに飲めるようにそばのテーブルに用意
するようになった。
それまで飲むのはお茶だったのが、なにがなんでも水が飲みたい。
カテキンとかいらない。
水、水、ただただ水。


血縁を水でだいぶうすめてみよう実験。
血縁ではないから他人なのに、冠婚葬祭では時として身内という括りになり、
兄というのはえてしてそういうものなのかもしれないが、いつでもやさしくて
ゆるい、義兄という存在。
お正月に義兄1から犬の思い出ムービー(まだ見ていない)、義兄2から火鉢を
もらった(まだ使っていない)。


お正月から2週間がたつ。
餅をまだ食べてない、ということに気づく。
食べなくてもなんてことない。わたしにとってお正月とは絵に描いた餅なんである。


考えていることを絵で伝えることができたらなあと描こうとすると、結局何を描けばいいのか
皆目分からず一本の線すら描けず途方にくれてしまう。言葉以上に絵は不得手なのだった。


コーヒーは得手である。
だが使用済みのペーパーフィルターをぶちまけてしまう。ほんの一瞬この世の終わり、と思う。
挽いたコーヒー豆というのは存外細かくてかたづけるのに苦労する。
拭き取りながらコーヒーのいい匂いに包まれて、ほんの一瞬この世のしあわせ、と思う。
人生とはこんなことのくり返しかもしれない、という考えがふとよぎる。
そんな単純なことじゃないでしょう、という声でふとわれに返る。
それから、あなたは気楽でいいわねえ、という声がどこからともなく聞こえてくる。



      
       ゆきだるまに道をたずねるゆきだるま   ようこ





[edit]

CM: 0
TB: --

page top

ふらすこてん1月句会 

2017/01/09
Mon. 16:15

初句会だというのに、投句時間ぎりぎりすべりこみセーフ。
とり年だのに。もっと優雅に美しく会場に行きたいものだ。


三人選「正しい」
7点  母さんの正義は葱のにおいする   ひでお
6点  正しいは池に近づくほど微妙    由紀子
6点  浄瑠璃のどこも正しく濡れてゆく  きゅういち
5点  アフリカ象の歩幅はたしか正しい  由紀子
5点  正しいと弁当箱が言っている    遊凪
5点  右折禁止後ろ歩きで曲がる     律子
5点  正しいと思うところに鼻を置く   祥文


三人選の進め方の試行錯誤がつづく。
みんなに広く等しく意見を求めたいのであれば、そもそも三人選である必要は
ない。今回みたいに一番の高得点句に選者さんは誰も抜いていなくて、抜いた
7人と議論してもどうしても弱腰になるのはあきらかで(わたしも抜かなかった
方ではあるのだけど)この句がとてもかわいそうになった。

そして自分から発言するというのはなかなかどうしてむつかしい。
わざわざ言うほどのことでもないやろなあと思うし、発言するタイミングも結構むつかしい。
そこはもう当てて当てて当てまくっていいんじゃないかと思う。
子どもじゃないんだから当てられたらなんか答えるでしょうし、せっぱつまって出た意見に
思いがけない読みの広がりが見つかったりするかもしれないし。
と、同人でもないわたしがえらそうに言うことではないんですけどね。あはは。

帰りの電車で突然酔いがまわってきた。なんでかなあと思えば、焼酎ロック。
羊羹と焼酎は危険な組み合わせだぜ。あと、S俊さんの吉田拓郎かな。
十三からは繊細な野性味を纏うお兄さんに席を譲られ、なんとか吐かずに家にたどり着く。




ブラジャーも朝の玉子も再生す   ようこ
再生の人かヒトデかひとでなし
しあわせな膨張色の鳥になる
毛皮着る前に拭き取る母乳かな
補聴器の毛玉取らせていただきます
玩具の一つとして蜜柑放つ午後
綿虫をいっぴき描くお正月
正しい気もするし馬鹿も冬薔薇も
芋虫や正しいラブソングをつくる



[edit]

CM: 0
TB: --

page top

おおみそかのうみそか 

2016/12/31
Sat. 12:34

今年もダメだった
中途半端な人間は やっぱり中途半端な生き方しか
できないんだ
という言い訳を大切に育てても
葉ぼたんは気ままにすぐ枯れる

「おなかすいた」
「脳下垂体?」
今年最後の聞き間違いがささやかな歓びだなんて言えば
ひよどりに笑われるだけだ

死んでいるぬいぐるみがほしい
ぬいぐるみは生きているふうに作られて
やさしい暴力をふるう時代は終わったよ

Aがわたしを走り抜けたようにBがわたしを走り抜けても
くよくよしないで済むように1時間おきに死ぬことにしよう





[edit]

CM: 2
TB: --

page top

北田辺12月句会 

2016/12/28
Wed. 11:01

先月号より
鋭角な尻は短い羽で隠す    かがり
沖縄でも北海道でもなかった犬神家の巣 々々
剃毛の途中でユダのビブラート  与生
散るために重力がある花と蛇   大祐
散り方は右の乳房に決定権    一帆
な、は夏のち、は血みどろの、紙の舟  くんじろう




今年最後の北田辺句会。わたしは今年最後の句会。
クリスマスプレゼント交換があることを、家を出る直前に知り焦る。
上着を着ずに出かけそうになるくらい、焦る。
元来プレゼントが苦手なのだ。
当然喜んでもらえることを願って贈るのだが、最悪喜んでもらえなくても、
がっかりはされたくない。それがプレゼントの流儀というものよ、と思っているので、
そのためにはある程度の時間が必要で、その時間がないことに焦ったのだ。
ここは常夏かっていうくらい汗だくになりながらなんとか購入。
行ってみるとみんなちゃんと用意していて、知ってたんだ、みんな、えらいなあ、と感心する。

今年最後ということで、17名参加。最近は県外の欠席投句者が増えていて、
くんちゃんもとてもうれしそう。
今年一年、ごちそうさまでした。

席題「さん」
まさか抜かれんやろうと思っていた句が抜かれてしまった件。
醜い男とはさん付けで話す (我ながら酷すぎる)      
ちかるさんと紫乙さんの共通点を探す(人間ていうだけやろという声に、人間やったんや・・と思うわたし)



遠ざかる岩にも少し嘘をつく    ようこ
海の色侮辱し逆子を治す
はじまりの顔はいつでも芋である
思春期のウエストポーチ切れたまま
淡水で洗うアロエの腋の下
もろびとこぞりてムーミン玉結び
鉄パイプでとうふを殴るような人
新鮮な臓器が残るビニール傘
人呼んで亡母渇いた背中です
ラブとして凶器の届くクリスマス
偶数の好きな娘の弱酸性
袋からカーネルサンダースの前歯
ピカチュウが足湯に溶けるドロップス




[edit]

CM: 0
TB: --

page top

川柳カード13号合評会 

2016/12/20
Tue. 20:34

合評会に参加する前に句を読む。句意を読むというよりもただ句を読む。
わからない言葉の意味を調べたり、好きな句、気になる句にしるしをつけたり、
10句の中にしかけをみつけたりする。
合評会に行く。他の方の評や感想を聞きながらもう一度句を読む。
合評会が終わる。
今、またブログを書く前にぱらぱらとめくって読む。
不思議なことに、読むたびに句の表情が変わって見える。句はずっとそこにいて
変わらないのに、読むたびに色が変わり光り方が変わる。
うれしいのは、気にもとめなかった句が、ページを開いた瞬間、ふわっと宙に
浮かんで見えたとき。
ああ、気づかなくてごめん。そこにいたんやね。
そうやってわたしの句も見つけだしてくれたカードには感謝しかない。

   はっけよい戻ってもいい渚まで    畑美樹


「島」
9点  島をみうしなう馬蹄形磁石    かがり
6点  流刑地の歯ブラシが超極細毛   奈々
5点  十代の声で隣の島を呼ぶ     正博
5点  地図ひらく密かに島は膨らんで  陽子

「雑詠」
5点  煮沸した小指を吊ってクリスマス くんじろう
5点  ガニ股の赤いコートは消却済み  とし子
5点  袋麺もがいて冬の邪魔するな   陽子




[edit]

CM: 0
TB: --

page top

某日日記。 

2016/12/14
Wed. 11:01

12月某日
きりのない作業が好きだ。
たとえば、もやしの根切り。たとえば雑草抜き。たとえばセーターの毛玉取り。
どこできりをつければいいのかわからない、永遠におわらないところにある種の
エクスタシーを感じるのだ。
そしてそのきりのない作業のひとつに、川柳があるんだろうなあ。


12月某日
最近憶えていられないくらいの夢を見る。
あまりにも見るので現実なのか夢なのかわからなくなる。
今日は買ってきたシュークリームを食べようと冷蔵庫を開けたら入っていなかった。
夢だったんだなあ。


12月某日
LINEをしていて(相手、女子)、セックスと打ったつもりがサックスと打って送信してしまった。
それはサックスをセックスと打ち間違うより(したことないけど)なぜかとてもはずかしかった。


12月某日
わたしの句に「ササキサンを軽くあやしてから眠る」という句があるのだけど、
どうにも生ぬるさが気に食わないので「ササキサンを軽くいたぶってから眠る」に替えてみる。
すこし、すっきりする。





[edit]

CM: 4
TB: --

page top

ふらすこてん12月句会 

2016/12/05
Mon. 23:27

30名参加。多い。と思ったら今年最後の句会だった。
三人選、一般選者に選ばれました。(顔伏せてたのに。伏せてたからか?)
ぱっとしない選評に説得力ない反撃(?)に反省しきり。

   トランプを消す手品だけ売れ残る   全郎

もうカードのトランプしか思いつかなかった。抜いた理由として、まあこういう状況はあるだろうけど、
消したはずのトランプが残るという皮肉なような煙にまかれたようなおもしろい句だと思ったという
ようなことを説明してたら、どなたかが、「あのトランプじゃない?」と言われ、あーー、そっちか!
ってなった。作者はどちらにも取れることを狙ったらしい。今となればなんで気づかなかったんだ
ろうと思う。思い込みとはおそろしい。

祥文さんとは一個も選句がかぶらなかった。と思ったら、わたしが抜いていたエスカレーター句が
祥文さんだった。こういうこともあるんだなあとおもしろく。


9点  ついて来たはずのキリンが見当たらぬ 喜八郎
8点  人を残してエスカレーターを消す  祥文
8点  消火器を持って電車に乗り遅れ   進弘
6点  心音を消すあしたのパンはいらんかね 陽子
6点  会う前に期待をすこし消しておく  佳恵




とび箱をずぶずぶ刺して前夜とす    陽子
人妻が匂う前夜の解剖図
錆びついた子宮に茶釜の子を宿す
心音を消すあしたのパンはいらんかね
消し終えて慣れた手つきでまた汚す




[edit]

CM: 0
TB: --

page top

にんがしにんがし 

2016/12/01
Thu. 21:02

銀ちゃんこと高田銀次というひとがいる。わたしが句会に行き始めたころに
時々お見かけし、明らかに常人とは逸した風貌であり、態度であった。
しかしここ数年、句会に参加することはない。それもこれも銀ちゃんの行いが
招いたことではあるらしい。
初めて飲み会の席で向いに座り、かなり人格否定され傷ついたのだが、
当の本人はまったく憶えてないらしい。

そんな銀ちゃんから1年ほど前、手書きの句集(というほどの代物でもないのだが)
が送られてきた。
久しぶりに読む銀ちゃんの句にわたしの中のなにかが音をたてた気がした。
なんのことだかよくわからない句も多いのに、懐かしさに包まれた。
ああ、もっと自由に作っていいんだ、と気づかせてくれた。

銀ちゃんに無許可でここに載せたら怒られるかな、とも思ったが、久しぶりに取り出して
読んでみて、やっぱり好きだ、と思った。だから載せても許してくれるよね。


『にんがしにんがし』  

いろはなんでんじゃこ萬お小夜のちへもがりてゑひもせず
戦はげんきですか焼き豆腐はザンネンです
一握の膣の床しさこいてもこけどもやっぱこくんかい
縊死せっぱ妹にこしたことはなか
イヨットせいっ盆はかねがねヒロポン通り
半眼にかまえホガラカナものわすれ
にわたずみ柳かげれんおんやら生身魂
ちくしょうちきしょう行けや物質の意識
私が殺した蚊だタミエが死んでいる
ワニはそうする南無ケロイドさんメンタムさん
嬶としゃんすなとんから雑炊毛深き物相もっさんすととん
幼児ん突っ込んではかってみんさい
陀羅尼だらんく黒羊黒果実
象を嗅ぐあと百体のロマンショォー
つくつくバス運休だってさ(自省はいらんかねぇ)
鶴さんざめく血月のよしなくも
逢魔越え丸竹えべすこ小池っはいっ
犯された兄の名です靴をならすのはそれなりにやめてください
やるせは異聞せったろーがゲイチ家
高野あずましいんでないかい
こうもんの身にもなってみなさい
みんげつを踏みぬきおかあちゃん みず
秋葉の蝶にまみえず忍びがたきをかめへん
脂味の多い下校ごろうとはいえ
サビ猫が啼くのよこの町は動かないわね
きもちをくふうしよるがはいってきます
ゆうくぽいずん田毎の月ばぁこっぱみじんぞ
ゆやゆめや(十五秒後)一の子分の安否の次第
塩の手やにょろりすたんこやらずのけさがけ
自殺についての長い――笑い咄
シッカロール中也に餓鬼のあとさき
出家カレーは以上でございますか
人面パァテー真後ろさんは鳥ボウズ
すごいんですちこうのひかりありすがわ


この自由すぎるリズム、自由すぎる言葉づかいに血湧き肉躍るんである。






[edit]

CM: 2
TB: --

page top

北田辺11月句会 

2016/11/28
Mon. 15:10

先月号より
弘法大師空海継ぎ木が人参      奈々
極刑の月の裏へと流される      ひろ子
惑星ひとつブルーシートからゴロリ  一帆
惑星のなんなくメスを受け入れる   奈々
ほろほろとはなんだ煮込めばジャズである 々々
ほろほろの発祥の地のさいたま市     大祐
ヴィトンのポーチも飴ちゃんでぱんぱん  吹喜
目薬を持って二階まであがる     洋子
半袖はもう着ないから連れてって   かがり
封をするりんごの尻の赤いまま    紫乙


今月は少なめの10名参加。これはこれでみんなの輪がひとつになるというのか、
話題がばらけないのがいいですね。
ひとりやる気のない人がおりました。最初からきょうは席題はなしにしましょうと、
早々に酔っぱらうという、句会にあるまじき不逞。
もともと流されやすいタチなのでずるずる飲み続けていると、突然まじめな遊凪さんに
「陽子さん、お題ください。」と言われ、え、なんだこのシステムは。新しいじゃないか。
と思いながら、「じゃあ、緑で。」て言うたら、みんなも乗ってきて、「じゃあ共選で。」
と話がすすみ、なんとなくまた句会らしくなってくる。
それからも飲んで食べてをくりかえし、ひとりふたりと帰っていき、やっぱり封筒回ししよ
ってなる。わぁ、句会みたいでたのしい。(句会や)
それにしても、S彦さんになにがあったんやろう、が昨日一番の謎でした。


明るい家族計画赤い羽なびかせて
鳥の巣にひとの匂いの雨が降る
柿をむく二の腕をむく梨をむく
ぼくはもうぼくらになれぬ散りたまえ
だからどうしたみどり色の乳房
マフラーを巻いて行き止まりの体位
うわばみは三行目には死んでしまう
さよさよとおしべ張り付く八重歯かな
九人でこわされそうなnino作る
ブリーフに柿と煮干しを包んで帰る

[edit]

CM: 0
TB: --

page top

名前。 

2016/11/23
Wed. 12:08

病院に行くのが大嫌いで、そこにほんのひとつまみの愉しみを見い出すとするならば名前である。

「げきょうさーん、げきょう○○さーん。」
初耳。外京さんだろうか、下峡さんだろうか。いや、華経さんかもしれない。

「原田さーん、原田トモヨさーん。」
わあ、お気の毒に。

「はなださーん、はなだその○さーん。」
短縮して「はなその」。からの「はなぞの」でもいい。あだ名決定。
どんな名前も短縮できるわけではないのでこのような名前は貴重だ。
あの壇蜜さんは壇ノ浦蜜子を短縮したような名前だけど、実はそうではない。
これ以上の短縮はもちろん無理。そういえば壇さんとか蜜さんとか呼ばれているのも聞いたことがない。
いつもフルネームで呼ばれる不思議な名前だ。

収穫にそこそこ満足して、帰宅。


動物病院はファーストネームを先に呼ぶ。
「ココちゃーん、田中ココちゃーん。」というふうに。

「ゴロウちゃーん、野口ゴロウちゃーん。」
キターー。でかしたよ、あっぱれだよ、と心の中で飼い主を絶賛する。
お会計の時、受付の用紙をなんとなくチェック。
野口・・・コロ・・・。

ぬか喜びした自分を戒めながら、帰宅。


[edit]

CM: 0
TB: --

page top

2017-01