ふらすこてん11月句会 

2018/11/12
Mon. 14:18

毎月欠かさず参加してたわけではないのでえらそう
なことを言える立場ではないけれど、ふらすこてん
はたのしい句会でした。ありがとうございました。
1年後とか2年後とかに同窓句会とかあったらぜっ
たい参加する。そんな話全然ないけど。


指先は鴨南蛮の佇まい (南)
コート脱ぐ父は南をちらつかせ
封筒の上にりんごが置いてある (実験)
散りつづく実験済みの蝶の耳
ワラビーと同じ手癖よ秋風よ (同じ)
冬に咲くおなじ病気だと言われ
ダンスが終わり何度も手を洗う (ダンス)
冬虫夏草伸びてワルツのなかひとり
音もなく冷やし中華がまた終わる (終わる)
ぎんなんの匂いに負けるアンコール


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ふらすこてん10月句会 

2018/10/08
Mon. 10:38

披講が下手なのは自認済みなんだけど、まさか
呼名をダメ出しされるとは思わなかったー。
次からは、、ってあと1回やんか!

三人選の京都。


  花街を西入下る墓地に入る  祥文


あの難解な住所表記を生かして、いかにも京都らし
いなあと思った。花街から墓地へはやっぱり上る
ではなくて下るがいいし、にしいるくだるぼちにい
るのるるるがたまらなくここちいい。
そしてこわくてなかなか行けなかったふらすこてん
にいつのまにか入り込んでいる自分にも重なった
りもした。、、、て、ふらすこてんは墓地かいな!


  
内出血したままためになる話 (何はともあれ)
何はともあれどくだみが咲いている 
コピー機に鳥はいよいよ膨らんで (いよいよ) 
襷渡されドミノ倒されじゃがいも
かたつむりゆっくりゆっくり噛んでいる (音)
樹木希林の音のど飴舐める音
2秒迷って烏丸駅で降りる (迷う)
2センチと2.5センチの付け心地
鴨川があんな湯葉とは南禅寺 (京都)
ぶぶ漬けを食べて永久歯が抜ける


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ふらすこてん9月句会 

2018/09/03
Mon. 16:41

東北から德田ひろ子さん、月並与生さんが参加さ
れるからなのか、句会もラスト3回になったから
なのか、句会場大入り満員。
初参加で当日選者に指名されても余裕のお二人に
たまげた。(東北弁すき!)

今回の句会、なんというか、、、ごめんなさい。
悪いのはわたしです。(by 秋茄子)


あつあげはどうぞ利き手に持ちかえて
死に際にあげパンと書く記入欄
白鳥がやっと三角定規です
みずうみを残してやっと骨になる
交番にねずみ花火と接続詞
中華屋の隅で時々ねずみ産む
一方の手で蟻の巣を崩す
雨音を拾う崩さないように
叩かれて叩いた秋茄子が悪い
鈴虫の急所はずしておく母は


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ふらすこてん 

2018/07/10
Tue. 10:48

桂川の濁流にどよめきながら、屋根のブルーシート
を憂いながら、わざわざこんな日に行かんでもとあ
きれながら、別に行ったらあかんこともないやろと
居直りながら、運転再開した阪急電車に乗ってふら
すこてんに行く。
途中、吉野家デビュー。安くて美味しくて、そらヨ
シギューヨシギュー言うわと感じ入る。
句会はリハビリ中なので、おとなしく参加。2次会
以降を漢字二文字で表すならば「反動」。
帰りは寝すごし梅田まで。(with N)



先端でまさぐっている物語   ようこ
竹串の先に密着取材する
紙がなかったので菜っぱで拭きました
覗いてはいけないパパのカイワレ菜
すなわちきみ栄養失調の名札
名誉とは欲望とは 生理がおわる
羊羹を斜めに切ったのは誰だ
メンヘラもメルヘンも斜めにスキップする
分度器の喜ぶ顔が見たかった
その交尾イーハトーブにこだませよ



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2018/02/04
Sun. 11:35

ふらすこてん句会、兼題「敵」。

こちらは敵と思ってなくても相手がどう思ってるか
は確かめられないので、実はわたしをそうとうここ
ろよく思ってない人がいて、その人の夢の中でわた
しは何度も殺されてると想像するのは悦楽のひとつ
であるが、こうみえて生来あらそい事が苦手なので
なるべく敵を作らないように生きてきた結果、敵は
いないが味方もいないという現実。



震えるくらいなら油揚げやめろ
花には油を舐める音が聞こえた
遮断機をくぐる帽子を置き忘れ
追いぬいて断片となるとかげかな
睾丸がはみだしている金魚鉢
大きさに合わせて蝶をつぎはぎす
口外は慎め、敵は湯豆腐だ
黒髪の敵と少年こそばし合う



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ふらすこてん7月句会 

2017/07/03
Mon. 16:29

 
 スカートの裾がいっつも濡れている   律子

ふつう人はできれば濡れたくないし、濡れないよう
に生活している。洗い物をした時に袖が濡れる、
雨に降られて全体的に濡れるというのならよくある
光景。そしてほとんどのものは時間が経てば乾く。
だからスカートの裾限定は謎であり、乾く間もなく
ずっと濡れているとはますます妙である。
濡れてますよって教えてあげるのもはばかられる。
だっていつもやから。
好きな句だったんだけどな~。
気になったのが「いっつも」。
話し言葉だからという理由ではない。それに関西
弁の句は嫌いではない。(好きでもないが)
掲句は、「いつも」という題だから中七にする
ために数を合わせにいったのかなあ。
  
 スカートの裾がいつも濡れている

中六だけど、その寸足らずな気持ち悪さがこの
句の気持ち悪さに合っているような気もする。

 スカートの裾がいつでも濡れいている

たぶん「いつも」という題で「いつでも」として
しまうことに作者の抵抗があったんだろうと推測する。


ちょうどいただいた他所の句会報を読んでいたら

 パーーッとすること何かおまへんか   律子

一貫して話し言葉。
あ、そうか。「いっつも」という話し言葉と「濡れ
ている」という書き言葉の組み合わせの違和感
が待ったをかけた理由だったんだ。



借りていた本に渦つけて返す    ようこ
うずまき氏カタツムリ氏と和解する
まんまるになるまでつなぐあばらぼね
ポケットはいつも山椒魚だった
呑んだら転ける呑まなくても転ける


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ふらすこてん6月句会 

2017/06/05
Mon. 22:37

ひさしぶりのふらすこてん。
すっかり出不精になっていたのですが、北海道から
とし子さんが来られると聞いて、行きます!と即答。
それから、俳句のイベントで佐々木紺さんにお会い
し、ふらすこてんに初参加されると聞いて、るん!
その後、石原ユキオさん、中山奈々ちゃんも参加と
聞いて、るんるん!
楽しい句会にならないわけがない。
会場の空気もなんかキラキラしている。
その刺激を受けてハッスルするおじさんおばさん。
うぇーい!(←一番ハッスルしている)


題「西」
とりいそぎ関西人を送ります  ユキオ 
(川柳心がある人なら秒殺でやられるやつ。)
精密にころされている西日かな 紺
(愛がある。だから慈しみ解体されてゆく。)

題「向く」
疼痛の向きを変えれば夏蝶に  紺
(夏蝶のわかってもらえない痛みを感じて痛い。)
上向くまで蘭鋳の水槽叩く   奈々
(こわい。無邪気ぶったその笑顔がこわい。)
ショートケーキに銃口向けてろよ ユキオ
(1回目、え?ってなった。2回目、えぇ!ってなった。)

題「侍」
眉尻をまとめるための侍女の唾 奈々
(指を舐める唇、唾で光る指、眉尻をしごく指先、を見せるスロー映像だとエロくて萌える。)


たのしくうつくしくおもしろい句をありがとうございました。



ブラジャーを正しくつけて咳をする   ようこ
咳をしてアルミホイルな夜である
水際は赤かったかね西のマゾ
隣人よ十字架の向き合ってます
侍一人あたりこっぺぱんふたつ
侍が来ては知らない兄を抱く
幼獣を僕(しもべ)にするための大地
山きれい小さい海は性悪です



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ふらすこてん2月句会 

2017/02/06
Mon. 10:58

三人選「国」
11点  国境を越えたら靴下は立って履け  かがり
 8点  女五人並べばすでに国境    和枝
 7点  閂をあければそこは猫の国   ゆみ葉
 6点  弁当に梅干君が代に小節    早苗

「国」という題、意外とまじめな句が多かった。それにアメリカ(トランプ)の句も。 
そんな国々に、すこし小気味よさや笑いや夢を加味したものが高い点数を得られたのかなあと思う。
わたしなぞはまじめな句が並んでると、すかさずちょっとふざけた句に点を入れたくなる。



   アイアムはコクヨの消せるボールペン   勝彦

なんだこのリズムの良さはと思った。
コクヨはもともとは「国誉」で、創業者が国の誉れとなるようつけた社名だそうだ。
それにしても日本の文房具はすごいですね。外国の文房具知りませんけど。おそらく。
いたれりつくせりの機能性は日本が誇るべき文化の1つで、「アイアムは」と片言の
英語で堂々と胸を張っていいんじゃないでしょうか。
で、このリズム、馴染みがあると思ったら、「アイハブアペン~」ですね。





酸味が強い修道院の財布    ようこ
賞状を丸めて鬼を追いかける
参加賞もらいそこねてギィと鳴く
ぜらちんを誰かのせいにして食べる
もつ煮込み食べ終えたので女装する
心臓にチェリーパイという痛み
雪虫や遺体になるまでが痛い
はんこ屋の国旗の下の知らない人
さあ行こうおっぱいの国ぞうの国


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ふらすこてん1月句会 

2017/01/09
Mon. 16:15

初句会だというのに、投句時間ぎりぎりすべりこみセーフ。
とり年だのに。もっと優雅に美しく会場に行きたいものだ。


三人選「正しい」
7点  母さんの正義は葱のにおいする   ひでお
6点  正しいは池に近づくほど微妙    由紀子
6点  浄瑠璃のどこも正しく濡れてゆく  きゅういち
5点  アフリカ象の歩幅はたしか正しい  由紀子
5点  正しいと弁当箱が言っている    遊凪
5点  右折禁止後ろ歩きで曲がる     律子
5点  正しいと思うところに鼻を置く   祥文


三人選の進め方の試行錯誤がつづく。
みんなに広く等しく意見を求めたいのであれば、そもそも三人選である必要は
ない。今回みたいに一番の高得点句に選者さんは誰も抜いていなくて、抜いた
7人と議論してもどうしても弱腰になるのはあきらかで(わたしも抜かなかった
方ではあるのだけど)この句がとてもかわいそうになった。

そして自分から発言するというのはなかなかどうしてむつかしい。
わざわざ言うほどのことでもないやろなあと思うし、発言するタイミングも結構むつかしい。
そこはもう当てて当てて当てまくっていいんじゃないかと思う。
子どもじゃないんだから当てられたらなんか答えるでしょうし、せっぱつまって出た意見に
思いがけない読みの広がりが見つかったりするかもしれないし。
と、同人でもないわたしがえらそうに言うことではないんですけどね。あはは。

帰りの電車で突然酔いがまわってきた。なんでかなあと思えば、焼酎ロック。
羊羹と焼酎は危険な組み合わせだぜ。あと、S俊さんの吉田拓郎かな。
十三からは繊細な野性味を纏うお兄さんに席を譲られ、なんとか吐かずに家にたどり着く。




ブラジャーも朝の玉子も再生す   ようこ
再生の人かヒトデかひとでなし
しあわせな膨張色の鳥になる
毛皮着る前に拭き取る母乳かな
補聴器の毛玉取らせていただきます
玩具の一つとして蜜柑放つ午後
綿虫をいっぴき描くお正月
正しい気もするし馬鹿も冬薔薇も
芋虫や正しいラブソングをつくる



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ふらすこてん12月句会 

2016/12/05
Mon. 23:27

30名参加。多い。と思ったら今年最後の句会だった。
三人選、一般選者に選ばれました。(顔伏せてたのに。伏せてたからか?)
ぱっとしない選評に説得力ない反撃(?)に反省しきり。

   トランプを消す手品だけ売れ残る   全郎

もうカードのトランプしか思いつかなかった。抜いた理由として、まあこういう状況はあるだろうけど、
消したはずのトランプが残るという皮肉なような煙にまかれたようなおもしろい句だと思ったという
ようなことを説明してたら、どなたかが、「あのトランプじゃない?」と言われ、あーー、そっちか!
ってなった。作者はどちらにも取れることを狙ったらしい。今となればなんで気づかなかったんだ
ろうと思う。思い込みとはおそろしい。

祥文さんとは一個も選句がかぶらなかった。と思ったら、わたしが抜いていたエスカレーター句が
祥文さんだった。こういうこともあるんだなあとおもしろく。


9点  ついて来たはずのキリンが見当たらぬ 喜八郎
8点  人を残してエスカレーターを消す  祥文
8点  消火器を持って電車に乗り遅れ   進弘
6点  心音を消すあしたのパンはいらんかね 陽子
6点  会う前に期待をすこし消しておく  佳恵




とび箱をずぶずぶ刺して前夜とす    陽子
人妻が匂う前夜の解剖図
錆びついた子宮に茶釜の子を宿す
心音を消すあしたのパンはいらんかね
消し終えて慣れた手つきでまた汚す




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ふらすこてん11月句会 

2016/11/07
Mon. 15:53

三人選「衣」
6点  経帷子のゼッケンも12番    一筒
6点  さめざめときぬぎぬのことむらさきのこと 洋子
6点  豹柄と迷彩服の立ち話    茂俊

今回も一般選者3名選出制。なんでこれを選んだかということを追及される。
感じたことを言葉にして相手に分かってもらうというのはとてもむつかしいことよなあと選ばれし人たちを
見ながら思う。でも明日は我が身なんやよなあ。どきどき。

またまた数字。スポーツにあかるくないので気づけなかったけど、(1つの意見として)12番(補欠)の
せつなさがあるという。数字は関係なく、経帷子(死に装束)にまでゼッケンをつける面哀しさがあるという。
なるほどなるほど。だけど、死関係でいくと、こっちの方がわたしには合ってるかな。
   
   フィッシュ・オア・ミート臨終の腰巻   かがり

空の旅ちゃうねんから。(まあ死ぬことを昇天とか旅立ちとか言うけどな)
そやね、これから寒なるしミート系の腰巻にしとくわ。
って、こういうことやんな。知らんけど。


登録するしない生姜天の串ピンク   ようこ
水仙の骨の形を記録する
旧校舎のチョークの先の騒がしさ
旧姓の表面積を教えてしまう
あさましく病めよ地衣類分かればよい
理想とは衣装ケースで慰み合う


俳句の岡村知昭さんから句集『然るべく』をいただきました。帰りの電車でけっこうがっつり読む。
ええわ~。気持ちのいい酔いを決して邪魔せず、いや、むしろこういう状態で読むということを見越して
作られたんではあるまいか。いや、ないな、ないと思う。
   
   あわゆきと鼻血のひさしぶりである   知昭

「なんやこれ。」 あぶな、もうちょっとで声に出すとこやった。



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ふらすこてん10月句会 

2016/10/03
Mon. 13:58

三人選「幸運」
7点 幸運と書いた法被で来るはずだ   祥文
5点 幸運は雲の狭間に寝ています    伸吉
5点 何時もより泡の少ない大ジョッキ  弘之
5点 玄関を開ける電気が消えている   弘之
5点 鼻毛は抜くな幸運が逃げる     恵美子

なんとか選評タイムのマンネリ化を解決しようと、やり方を変えての三人選。
基本の選者(3人)VS選抜選者(3人)の対決となりました。
といっても、どっちのチームの人も重なって抜いてる句も当然あるわけで、そうなるとチーム対抗という
よりは、個人対個人になってしまったり、自分が取らなかった句にも応戦しないといけなかったりと、ちょっと
ぎこちない感じはありましたが、何回かやっていくうちにそのへんはうまく流れていくのかなと期待しつつ。

幸運という題。幸運を使わない句の場合、この句のどこが幸運なん?に加えて、意味が分かったとしても
そんなんが幸運なん?という個人差もあるせいか、点数も結構ばらけてました。



雨水が溜まるビバリーヒルズの裾   ようこ
スカートの裾で魚が溺れている
二泊三日で羽蟻の羽毟る
パナマ帽片側だけが燃えている
ベレー帽と相席になる麦わら帽
先立つ不孝をお許しください 幸子
晩秋に買う幸運のペンダント


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ふらすこてん9月句会 

2016/09/05
Mon. 10:16

三人選「寛ぐ」
11点 太平洋にいます殻付きピーナッツ 彰子
11点 じゃがいもが21コ在り寛ぐ   柊馬
 8点 疱瘡を見せあう101回目    かがり

最高得点句どちらも取ってました。
今回のメインテーマは「数字から垣間見えるあざとさ」とでもいいましょうか、たまたま今回重なった
21と101というふたつの数字。しかもどちらも高得点です。
「この数字はあざとい。この数字を使った理由が作者にちゃんとあるのか。」という祥文さん。
川柳において「あざとい」と言われることはなんとなく褒められてると思っていたので、かなり驚きでした。

確かに数字にはやっつけ的なとこありますもんね。聞こえは悪いけど数字詐欺。具体的な数字を
出されると人間はつい信用してしまいます。やはり作る側もそのへんは計算に入れているのだと思います。
数字だけにね。
わたしもあざとい方なのでよく分かります。

でも、わたしは今回21コに騙されたわけではなく、それ以外のところもいい!と思ったのでいただき
ました。なんなん、じゃがいも21コの安心感。1食につきじゃがいも1コ消費するとすると、21コあったら
1週間はなんもせんと生きていけるっていうね、とりあえず命の保障?それだけで悩みすべて解決みたいな。
世の中にはラグジュアリーなホテルで寛ぐ人もいれば、じゃがいも21コで寛ぐ人もいるのである。




いちじくの皮下組織よな盆踊り    ようこ
シロナガスクジラは白くない阿片
鈴虫が棲んでいるから暗い家
夏休み明け彼女らの虫さされ
鮫肌や働く理由など知らん


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ふらすこてん8月句会 

2016/08/08
Mon. 18:56

先月欠席したので、ひさしぶりに体感する夏の京都。
うだる。さすがに四条通を歩く人の数がいつもより少ない。
海外からの観光客などを見ていると、せっかく来ていただいたのに、こんなに暑くてほんますみません、
と思ってしまう。わたしは京都人でもないし、京都が暑いのはわたしのせいではないんだけど。


三人選「花火」
7点 縛られたままで聞いてる遠花火    やよい
6点 香辛料入りの花火を上げなさい    ゆみ葉
6点 ドンと上げたらロンドン橋落ちた   勝彦
6点 線香花火奈落に首の落ちる音     正昭
6点 バカボンのパパの鼻から出た花火   喜八郎
6点 脇腹に仕掛花火をひそませる     洋子

遠花火というのは、音は聞こえず光だけが見えている花火のことを言うのだそうです。
だからこの「聞いてる」がおかしいという意見。でも「縛られたままで聞いてる」状況はすごく好きです。
が、点は入れてません。いかんせん「縛られたままで聞いてる」のどことなくずるっとした言い回しにスッキリせず。

ということで一応擁護派としては、遠花火は見るものでないといけないというのは分かるのですが、身動きの
とれない状況で耳だけは必至に外界の見えない花火の音を捉えようとしている、あるいは追い詰められた
状況下で聞こえないものが聞こえてしまったという幻覚、ということもあるのでは、、というのは脚色しすぎでしょうか。

で、今回議論が熱くなったのが、こういうドラマ性だったのです。(別の句で、ですが)
「説明だけで物語がないから取らなかった」という意見に対し、「ドラマ性がすべてではない」という意見。
どちらの意見も分かるので、いかんともしがたくただただ聞いているだけでした。
書かれていない部分を努めて想像するのではなく、想像させられてしまう句は、ある程度の余白が残されていて、
どういう結論を導き出すかは読者に委ねられています。そういう意味ではすべてではないけどとても大事なことでは
あります。そしてその余白を埋めることができ、自分なりの結論が導き出せると、「この句、好き」と思うのは人間の
感情としては当然の流れでしょう。ただそこに「川柳として」胸を張って「いい」と言えるかどうか、なのかなという
気がしています。
だって、わたしは川柳を作っているのだし、川柳を読んでいるんだから。



寒天で固めておいた耳年増    ようこ
婚活に励む福神漬け男子
ちはやぶる人の屑さりげなく破格
麗しく花火 公開処刑され
線香花火 神には神の日刊スポーツ




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ふらすこてん6月句会 

2016/06/08
Wed. 20:53

三人選「時」
9点  時計屋の時は座ったままである   喜八郎
8点  乾き切った蚊を古本は挟んだまま  ゆみ葉
7点  売名は食後30分までに      全郎
6点  茜雲時を一刷毛すくい去る     幸男
6点  急がないけどのけどにもある期限  八斗醁

時計屋の句、うまいいな~と思いました。川柳でうまいなあと言うと技術的にはねーという、どこか皮肉めいた
ところがあるのですが、この句はそれもあるんだけどうーんと唸らせるものがある。そういう句をうまいい句と
言います。(あ、わたしは、です)
時は座ったままとありますが、時計屋のご主人が座ったままの姿も想像できます。止まらない時計に囲まれて
いるのに、時は止まっているような、永遠に変わらないものを生み続けているような感じ。昭和のモノクロ映画の
ワンカットを見せられているような気分になりました。

そして、ゆみ葉さんの「古本に蚊」の句。祥文さん以外の選者さんお二人は入れてはりました。
祥文さんが定型にしようとは思わなかったのか、とよく言われるのですが、わたしもこの句については同じ意見です。
時計屋の句がうまいいとしたら、こっちはうまくないい、と言えます。祥文さんに添削をされていましたが、それに納得
できないのも分かります。作者がなにを伝えたいかということは分かってますから。
これは破調が抱えるリスクなんだと思います。破調にするなら読み手を煙にまくくらいの勢いが必要で、失速して
しまうと、読み手の方に破調にする理由を考えさせてしまう隙を与えてしまうんですよね。
逆に定型の場合は、あまりにすんなりとひっかかりどころがない句に陥らないために、いかに人との違いを出して
いくかが大切なわけで、結局どちらにしても推敲の努力が必要なのです。

わたしの句は落としどころがハッキリしすぎて鼻につくとおっしゃるゆみ葉さん。だからああはなりたくないと、あえて
下手さで勝負してるのかもしれませんね。
こんなこと書いてるけど、ゆみ葉さんのことちゃーんとリスペクトしてますから、みなさまご安心ください。




万札にパンツの線が透けている
潮干狩りセットを持って森へゆく
貝殻がかさばるコイロッカーベイビー
兄を擦ると兄嫁が詫びる
勇気をもって鼻の長さを確かめる
四つん這いです三十年前の水着です
時すでに眼孔に棲む蛇の声
少年に時は蝶なり狩られたし

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ふらすこてん5月句会 

2016/05/09
Mon. 11:09

三人選
9点  ひっぱたく妊娠線を束にして  きゅういち
8点  義母笑う小っちゃい蜘蛛を吐きながら きゅういち
8点  太鼓も叩く片手間に母もやる  祥文
7点  母はもう見渡す限り水田に   全郎
5点  お袋を韻踏みながら裏返す   彰子
5点  火点し頃の京都タワーは母である   泰子

なんと。
トップ2はきゅうちゃんでしたね。最初読んだとき、わたしかって思いました。わたしが作りそうといういうことです。
妊娠線とかひっぱたくとか。案の定、句会後の飲み会で陽子さんの句と思ったと言われました。
ねっ。て。なんか複雑な気持ちです。そういうイメージが定着してるんだなあと。
で、妊娠線の方はいただかなかったんですがね。というのはつまり、これだったら自分でも作れそうだなあと思った
のと、自分が作りそうなだけに、下心が見えるというかね。いや、下心なんかないのかもしれませんけどね。
わたしの場合、下心大アリなんで、そう思うのかもしれません。(蜘蛛の方は1点入れましたよ)

まあ今回の選は妥当なとこだなあという気がします。母という題だからでしょうか。母、義母に対する
イメージにおそらくそんな開きがなく、共感しやすいのだと思います。

わたしは、いいなと思った句がたくさんあった中、これは「母」が動かないなと思った句を選びました。

みそ汁の実をたずねては母捩れ   かがり
 介護ってこういうことの連続なのだろうなと。
 うれしいのか気に入らないのかわからないけど、母は捩れてくしゃくしゃになっていく。

内緒だが僕はまだ母の胸で泣く    泰子
 こんなことを胸を張って言える男の人が好きだ。
 残念ながら男の人が詠んだのではなかったけど。

亡き義母は今サバンナを越えている  やよい
 母、義母ともに強し。そらもう軽々とサバンナだって駆け抜けていく。




番号をふったところがけたたましい  陽子
正常なれんげ畑を血祭りに
獺祭と尿瓶と雨雲レーダーと
古池に囲まれている蛙かな
出目金を見ている母のVネック
中毒の母につばめの巣をつくる

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ふらすこてん4月句会 

2016/04/05
Tue. 09:58

三人選「敏感」
11点  神経の先が出ているお人形     祥文
7点   台所のママはきのうのママじゃない ちかる
6点   ブレーキランプは意外と十五歳   多佳子




   神経の先が出ているお人形   祥文

痛い。これは痛いです。歯医者さんの痛み。あの神経が体のどこかから出ていて、人間に触られるたびに
飛び上がるような痛みに襲われるのです。でも飛び上がれません。にんぎょうだもの。(byみつ・・こ?)
人形にしてみたら、かわいがられてるのか、いたぶられてるのかどっちなんだ、ということです。でも、なぜか
笑い飛ばせないなにかがこの句にはあって、それは神経が出ていなくても人間はいろんな痛みを感じるのだから
お人形だって同じように痛みを感じているのかもしれないなあと、ついあらゆる痛みに弱いわたしなんかは
思ってしまうのです。



   台所のママはきのうのママじゃない   ちかる

こわいな、子どもって。これ、旦那さんはぜったい気づかないパターン。ママに何があったかは、それぞれ読む人に
よって違うのでしょうが、それを言うと墓穴を掘ることになるのでここでは言えません。敏感を使わないで敏感と
思わせる、さすがだ。と思っていたら、隣で「宇宙人に襲われて・・・」というかがりさんと話しているちかるさんの
お言葉が耳に飛び込んできました。「え?え?宇宙人?襲われて?」想定外の解釈に頭の中がプチパニックで、
聞き返す余裕、無。たぶん、これ聞きたいような聞きたくないようなってやつです。
今考えるに、つまりこういうことか。ある日ママが宇宙人に襲われて、体を乗っ取られて(寄生獣みたいに)
鼻唄まじりに晩ごはんの準備なんかしているのを、こどもはどこかいつものママじゃないことに気づいて見ている
という、、、SF川柳だったのでしょうかーーー、なるほど、それもアリだな。



   ブレーキランプは意外と十五歳   多佳子

句会で、この「意外と」はいらないではないかと発言しました。たとえ作者が意外と思っても、それは書かずに
読み手に意外と思わせる方が大切なのではないかと。先に意外と書かれたら、そうかなあ、意外かなあ、そうでも
ないんちゃう?ブレーキランプが玉子焼きやったら意外やけど。とか、ひねくれたわたしなんかは思ってしまいます。
それに対して小池さんは、こういう書き方も川柳にはある、と。そりゃそうだ、あるでしょう。それも1つの意見です。
この句を抜いた他の方の意見は聞けず・・・。
こうやって意を決して(ホントよ)自分の意見を言った時に、いまいち反応がないというのは、こんなことはたいした
ことではないのかなあ、そんなことが気になるわたしが変なのかなあと思って、次から言うのやーめよって
なってしまう・・・・けど、たぶん忘れてまた言うんだろうな。



わたしの句
下僕下僕とかいわれ大根が騒ぐ
親指のつけ根で騒ぐ蟇蛙
鳴き声の消える市役所前ポスト
十一に演技指導をする十二
はらはらと刺し違いたる春ピラフ
敏感な兄に本日不具合なし
たんぽぽが敏感だから踏んづける




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ふらすこてん3月句会 

2016/03/08
Tue. 16:53

今回の三人選は「足」。
句会前夜になってもコレという句が出来ず、足、足・・・バッタの足、、とベッドに入ってからも足をバタつかせ
ながら考えていたら、いきなりゴキブリが現れて、そのゴキブリよりひと回り大きいロボットに背負い投げされ、
後ろ足をむずと掴まれ、そのまま左右にぎりぎりと引っ張られ、腹が引き裂かれ、ああ、もうムリですぅぅ・・・
という夢ならではの夢の途中で目が覚めた。
そして句会二次会ではゲテモノ食いの話になり、お隣の勝彦さんがゴキブリも揚げたら食べれるとうれしそうに
話している。ああ、そういえば、チャコ(ゆみ葉さんの愛玩ゴキブリ)とゆみ葉さん(インフルエンザ発症中)は
お元気にしているだろうか・・・などと思いを馳せる一方、イナゴも蜂の子もぜったい無理と言いながら、今日
いかなごの釘煮を炊き、そのかたわらで飼っているメダカに餌をやっているのだから、ゲテモノとゲテモノじゃないの
境界線て一体なんなんでしょうね。

ということで・・・

三人選「足」
6点 スカートとジーンズで味の違う足  多佳子
6点 立てよさあ木べらみたいな靴男   陽子
5点 足の裏みせて宇宙の話する     やよい
5点 夕暮れの食器棚から出す素足    律子
5点 初めて海鼠を食べた日の足     かがり


選者さん(祥文さん、柊馬さん、全郎さん)の抜いた句、みごとにばらけてました。
わたしの靴男も柊馬さんだけ抜いてくれはりました。やっぱり言われたのは「啖呵や」と。

あとは祥文さんから最近「○○する日の□□」という句が多いとの指摘。ただの字数合わせで使ってるんちゃうかと。
に対し、柊馬さん、イメージが作りやすいからで、そこに川柳くささはある。使うのはいいが、いかに他人と違うものに
仕上げるべきかでしょうという話。

バレ句についても。バレ句も川柳のおもしろみであり、許容の範囲ならよいという意見。バレ句に限らずそのライン
というのはありますけど、バレ句は特にその個人差が大きいかもしれませんね。もうバレ句というだけで、あかん、
みたいな。ゲテモノの話と同じかもしれません。



わたしの句
すみやかにレベルの高いなめくじを目指す
頭皮レベルでチューリップを咲かす
ヘブライ語でロコモコ丼を頼む
黒やぎさんから未だに届く手紙
姫に次ぐ姫にチルチルするミチル
立てよさあ木べらみたいな靴男
桜間引くよ纏足思い出し




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ふらすこてん2月句会 

2016/02/09
Tue. 14:57

三人選「隠す」
9点 どて南瓜あんたも隠れ吉利支丹 一筒
9点 親指を隠してうどん屋に入る  進弘
8点 長袖で隠す半袖でも隠す    六助
7点 全身のこびとのことは教えない 陽子   
7点 顔面に修正液を塗り終える   多佳子
6点 キューピーがこんな小ちゃい手で隠す くんじろう
   
     
今回はみごとに高得点句(上三つとキューピー)を抜いていました。
とても川柳らしい川柳。びっくりするような句も好きですが、こういういかにも川柳ですという安定感も
好きです。

   どて南瓜あんたも隠れ吉利支丹   一筒

南瓜と隠れ吉利支丹には突拍子もない感じもありつつ、カボチャとキリシタンどちらも
ポルトガル語と知ればこのつかず離れずの取り合わせには文句のつけようがありません。

   親指を隠してうどん屋に入る  進弘

子どものころ、霊柩車を見たら親指を隠してました。親の死に目に会えないなんて、それが
幸か不幸かも分からないうちからそんな迷信を植え付けられていたわけです。
親指を隠さないでうどん屋に入るとどうなるのでしょうか。太く長く生きられないとか、ぐだぐだの
ぐずぐずの、、いやいやナンセンスな句の意味を考えるほどナンセンスなことはこの世にナンセンス。

   長袖で隠す半袖でも隠す    六助

わたしも今回同じことを考えました。長袖で隠す。で、何を隠そう。そればっかり探して、結局見つからず
あきらめたのでした。それなのに、なんですか。長袖で隠すだけじゃなく半袖でも隠すて。どんだけ隠すねん。
しかも半袖でも隠せるんやん。夏場もOKやん。もう何隠そって必死になってたわたしとしては、膝カックン
された気分。この句は何を隠すか書いてないけど、そんなことはもうどーでもいい。


わたしの句
点々とわれナフタリン司る
乳房はニュウボウと読む昼の犬
昼だけど夜を噛んでもいいですか
かわいそうを取ったら何も残らない
心的外傷 話題の鬼になる
全身のこびとのことは教えない
入れ墨に生家の首を隠し持つ


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ふらすこてん新年句会 

2016/01/12
Tue. 17:06

新年句会。最初に祥文さんの小噺、もといご挨拶から始まりました。
凡人中の凡人からみたら、こういうことをさらっとしてしまうこの人てほんまなんなん?って思います。
わたしのようなど凡人と同じ空気を吸っているわけやから、ほんまの天才ではないのでしょうが。
凡人中の天才か、それとも天才中の凡人か。
褒めてるのかけなしてるのか分からなくなってきました。褒めてます。完全無欠に褒めてます。

では、三人選。
10点 イソギンチャクでしたか神の出入口   博造
10点 それとなくわかる神さまの眉毛     由紀子
 6点 カミサマはヤマダジツコと名乗られた  ちかる
 6点 神様2016壁ずりでやってくる    ちかる
 5点 準急に連結しましょうか神よ      くんじろう
 5点 耳掻き一杯でシャバシャバになった神  かがり

わたしは10点句、どちらも選びませんでした。
どちらも最初、おもしろいと思いましたが。
どうしておもしろいと思ったのに選ばなかったか。
それは、おもしろいが持続しなかったから。一通り最後まで読んでもう一回読んだ時には
最初の「おもしろい」が半分くらい消えて、逆に「でしたか」はどうなんやろ、とか「神さまの眉毛」句も
言いたいことは分かるけど、それ以上の何かで満たされることはなく、最終、これはちょっと・・・って
なったのだと分析。そしておもしろさの持続からいくと、やっぱりちかるさんの6点句なのでした。
わたしは両方選びました。「ヤマダジツコさん」ぜったい怪しい。ジツコて。いや、そもカミサマは
そんなおばちゃんみたいな名前ちゃうやろと。うん、やっぱり今でもおもしろい。
そして神様2016の2016に異議が出ていましたが、わたしは2016やからよかったのです。
2016年の神様は壁ずりでやってきたんですよ。去年は確か空から落ちてきはったんちゃうかった?
さ~来年の神様は・・・ってことやんね。おもろいがな。
祥文さんは、これを川柳と言うてしまったらあかんやろ、とおっしゃいました。ならばわたしはこれも
川柳だと言いましょう。文芸というものはそうやって認められ、変化していくものだと思うからです。



わたしの句。
洗ったばかりのハンカチを捨てられる
夜の猿に足の裏を褒められる
ハートのつく日はうさぎを捨てにゆく
隣人を愛することや餅の数
極刑でこの世の神をチャージする

られるられるゆくする・・・ゆるいぞなもし。



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2019-12