川柳カード13号合評会 

2016/12/20
Tue. 20:34

合評会に参加する前に句を読む。句意を読むというよりもただ句を読む。
わからない言葉の意味を調べたり、好きな句、気になる句にしるしをつけたり、
10句の中にしかけをみつけたりする。
合評会に行く。他の方の評や感想を聞きながらもう一度句を読む。
合評会が終わる。
今、またブログを書く前にぱらぱらとめくって読む。
不思議なことに、読むたびに句の表情が変わって見える。句はずっとそこにいて
変わらないのに、読むたびに色が変わり光り方が変わる。
うれしいのは、気にもとめなかった句が、ページを開いた瞬間、ふわっと宙に
浮かんで見えたとき。
ああ、気づかなくてごめん。そこにいたんやね。
そうやってわたしの句も見つけだしてくれたカードには感謝しかない。

   はっけよい戻ってもいい渚まで    畑美樹


「島」
9点  島をみうしなう馬蹄形磁石    かがり
6点  流刑地の歯ブラシが超極細毛   奈々
5点  十代の声で隣の島を呼ぶ     正博
5点  地図ひらく密かに島は膨らんで  陽子

「雑詠」
5点  煮沸した小指を吊ってクリスマス くんじろう
5点  ガニ股の赤いコートは消却済み  とし子
5点  袋麺もがいて冬の邪魔するな   陽子




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川柳カード10号合評会 

2015/12/27
Sun. 00:09

まずは10号の合評です。
1句1句の読みというよりは、10句全体から受ける印象とか、仕立て方とかを意見し合いました。
巻頭のくんじろうさんは10句すべて13文字でバシッと揃えてありました。パッと見たときにそれが
壁のように立ちはだかって、読み手を寄せ付けない感じがありました。ぜんちゃんがまずそれを
言ってくれたので、わたしも同調。それと字数を揃えにいくことで中味が二の次になるのでは、
という疑問があったのですが、そこも、くんちゃんはきっぱり妥協してないということでさすがだなあと
思いました。確かにそうなんですよね。一句一句読むとちゃんと一句が屹立してるし、真摯に作句してる
のが伝わってくるし、シリアスな景をイメージさせる中にちょこちょこくだけた句を挟み込んでくるあたりが
職人芸やなあと。

わたしの句。
祥文さん「タンカや。」
みんな「短歌?(どこが?)」
祥文さん「啖呵。」
みんな「あ~~~。(納得)」
「こういう書き方をする女性が最近少なくなったので、これはこれでええ!」と言ってもらえたのが
うれしかった。

こうやって10句まとめて読むと、毎号10句を揃えるまでのみなさんの苦悩が垣間見れて
おもしろいですね。ゆみ葉さんは文語の世界を彷徨ってたり、由紀子さんは10句の中になにかしら
仕掛けを仕込む作戦に出たり、いつも自分というものをあまり句に出さない小池さんが、今回やたら
暴力的な句を書いてたり。人が苦しんでる姿を見て楽しむのはすごく悪趣味なようですが、それは、
わたしだけじゃないんだなという安心感がそう思わせるんでしょうね。


第二部は句会です。結果は、


題詠「頓」
8点  タルタルソースに突発性変位    一筒
6点  武道家と舞踏家橋で入れ替わる   祥文
5点  産道を頓服握り生まれたの     彰子
5点  生え際あたり蛇行するうどんや   かがり
4点  ハムカツの頓となくなりああ師走  由紀子
4点  菊部隊素っ頓狂に細りゆく     陽子


雑詠
7点  鮟鱇の五分十分十五分       由紀子
4点  体重計に乗っているコカコーラ   祥文
4点  桶狭間以後を生きぬく蛇の首    正博
4点  誰かいないか今日十人と擦れ違う  秋の子
4点  東映の三本立ての畔りから     くんじろう
4点  七面鳥の襁褓を替えてほしい脚   ゆみ葉
4点  イントロが付くB級の稲荷鮨    一筒
4点  梅毒のようなパレードがおわる   陽子


こちらではみなさんの読みを聞くのが楽しみ。ただ、歯に衣着せる間もなく抜かなかった理由を
求められるもんだから、ついつい思ったことをそのまま言ってしまう。
タルタルソースなんかさんざんけなしたあげく、呼名聞けば一筒さん。一筒さんの句、わたし大好き
なんですよ。でももしかしたら一筒さんの句⇒おもしろい、というパターンがわたしの頭の中に出来
上がっていて、それによって正確な判断を下せていないということがあるとしたら、それは公平な
選ではないですよね。だからこうやって作者名に惑わされないで句を読むことは大切で、これからも
選は楽しく真剣にしたいものです。

今年の句会はこれで終了。2次会3次会も楽しく、、、終わるはずが、最後にとんだ醜態をさらし、たくさんの
方にご迷惑をおかけしました。このまま今年が終わっていくと思うともう恥ずかしさと心残りしかないのだけど、
来年はもっとまじめに呑みますのでみなさんよろしくお願いします。ぺこり。(←噂のカマトトようこ)




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第3回川柳カード大会 

2015/09/14
Mon. 16:51

大会で受けたさまざまな余韻をひきずっています。

小池さんと柳本々々さんの対談、受付をしていたので途中入室。
もともとさんの好きな句の説明をしてはりました。
なるほど、、、勇気をもらえる句が多い。外道だし、ポだし、干からびたわたしだけれども、「けれども」だけれども、
いいんですか、わたしなんかでいいんですか、わたしなんかを連れてってもらっていいんですか、って、もともとさん
どんだけ下からなのよ。川柳はあなたを求めてますよ。ノドから熊手が出てますよ。

「選ぶということはあきらめること」「川柳はお別れの文芸、死の文芸」「にぎやかな死を裏側から描く」
「テン年代は記号の廃墟」「健やかな不健全さで救ってくれる」「定型が健やかさを守ってくれる」
もともとさんのお話を伺って、そうか、川柳ってネガティブなところから出発してるんだなあ、でもその先には
必ず<定型>という光が<非定型(否定形)>のわたしを救ってくれるんだとおもったんです。言葉を持った苦しみは
言葉で癒されるしかないとおもうんです。だから最後に「現代川柳はおもしろくたくましい」と言われたとき、
ああ、わたしもきょうから、おもたくましく生きていこう、とおもえたんです。(もともと風?)(いいえ、全然)

あ、ちなみにわたしは大好きな某柳人に「あなたの句には救いがない」と言われたことがあります。イエイ。

第2部は句会。

それぞれの選、披講の仕方に個性があり、おもしろかったです。
特にくんちゃんは、くんちゃんが読むと全部秀句に聞こえるというお得な読みっぷり。

大会で抜かれる句はどうも軽く、一読(一聞)明解な句が多いような気がします。最近はそれがちょっと物足りない
気がして少しまじめに考えた句(わたし基準)を出すようになりました。だからか、あまり抜けません。
それは承知の上ですから、結果は気にしません。

印象に残った句(表記ちがってたらすみません)

美りっ美りっ美りっお言葉が裂けている  軒わ  
(言葉あそびだけにとどまっていない悪意)
孤独ばっか光らせて、自販機かよ  桐子  
(呼名するまえにもともとさんだと思ったら、桐子さん。感覚の若さに負けた。)
昭和からふっ飛んでくる金盥   ユキオ 
(よくぞ見つけた。)
オバQの顔の余白が多すぎる   ちかる 
(唯一吹きだした句。ちかるさんかよ。)
白地に赤くその後お元気ですか  義    
(日常のずらし、はぐらかし加減よ)
母よりも白き足なしサロンパス  由紀子 
(白×サロンパスはくどいようだが、どちらの白も負けてなく◎)
大人になったのでピーマンを残す     怜    
(なんじゃそら、のあとにくる大人の悲哀)

中山奈々ちゃんにひどいこと言いました。「選が地味やった。」ごめんね、桐子さんの句、奈々ちゃん選でした。


わたしはこの日3句。

帆船のネジに美談を塗りたくる (「美」くんじろう選)
白菊をゆでこぼすとき気象庁 (「白」石田柊馬選)
きんぎょ乙大いに太らせて誤植 (「大」樋口由紀子選)


大会のよいところは普段お会いできない方との再会、出会いであります。
昨年、わたしが青森に行って以来、1年ぶりの徳田ひろ子さん、一帆さん。去年初めてお会いした時から
気さくで男前なおねえさん、お姐さん?こんなコテコテな関西人の中で、2度付け禁止の串揚げのごとく
どっぷりと全身ソースにつけられてもものともしないご様子。さすがおかじょうきの山姥妖怪2匹(一艘さん
曰く)でした。

俳句の方ともたくさんお喋りできました。西原天気さん、小倉喜郎さん、岡村知昭さん。
西原天気さんは週刊俳句を運営されているすごい人。どきどきしました。舞い上がって、アホ丸出しで喋って
しまいました。西原さんは文章を読んだイメージどおりとてもスマートな無駄のない話し方をされる方でした。
そして、奈々ちゃん。めっちゃかわいい。連れて帰りたかった。連れて帰って、ジャーキー食べさせてあげた
かった。ほんで「ハウスっ」って言いたかった。犬かっ。うん、俳句する愛玩犬として、愛玩したい。

この心地良い刺激の余韻が残っているあいだに詠みたい、と思う・・・のだけれども。







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川柳カード第9号合評会 

2015/09/01
Tue. 16:11

今回は若手俳人をゲストにお迎えしての合評会。
松本てふこさん、西村麒麟さん、久留島元さん、みなさんピッチピチの30代前半。
その中でも最もピッチピチの久留島さんに「川柳界の若手のサカキさん」と言われると、馬鹿にされてる感しか
伝わってこない。くそっ。
そして、初参加は「おかじょうき」所属、青森から奈良一艘さん。若手ではありません。でも色んな意味でピッチピチ。
弾けてます。句も人も。じゃなかったら大阪まで来ないでしょ。

今回の合評会の内容は、10号に掲載されるということでそちらを楽しみにしてください。(丸投げか)

とはいえ、少しだけ。
最近では句にカッコ()を使うというのは珍しくないと思うのですが、


猫の道魔の道(然れば通る) だれ    飯島章友


いい、悪いではなく成功してるか否か。
然れば通るは誰の声なのか、誰が誰に言っているのか、「だれ」とは誰なのか。
カッコを使うことで謎が深まった方が多かったようです。
あと、連作の場合、そういう記号を使った時の残りの9句との関連性も大切だという話。
勉強になります。

実は奇しくもわたしもカッコを使っていたので、めちゃくちゃ言いにくいのですが、言いました。(言うんかーい)
カッコがあってもなくても変わらないのでは?と(そしてやっぱり否定)
カッコ内は誰の言葉でもなく自分の心の声だと、つまり自問自答だと思ったからです。だからカッコの必然性を
感じなかったのです。その時は。

それと自分の鼻くそは汚いとは思わないけど、人の鼻くそは汚いのと同じ心理現象かもしれません。
鼻をほじほじする行為(カッコを使うこと)には抵抗はないけれど、その鼻くそ(カッコ)をどうするよ?ってとこです。
喩えが下品すぎてすみません。
つまり自分が使う記号はアリでも、人が使う記号や変形させた表記なんかにまず嫌悪感を感じます。(器が小さいだけ?)
そういうマイナスからの読みに入るせいか、

    慎重に選考致しました結果、誠に残念ながら、今回は貴意に添いかねる結果となりました。
    せっかくのご期待に添えず、大変申し訳ございません。
となることが多い。(不採用通知か)

が、が、が、
今これを書きながら、カッコを付けることで深まった謎が、句のおもしろさというか怖さを増幅させているので、
これはアリなんではないかと、思い始めている自分がいます。
なんというか、童謡の「通りゃんせ」的な怖さ。
行きはよいよい帰りはこわいって言ってるのに通りなさいっていう、あの振り下ろされる腕と腕にはさまれて
どこかに連れて行かれるのを待ってるようなゾクゾクする感じ、に徐々にハマっていくわたし。
わぁ。みなさんの話を聞く前と後で自分の意見が変わるなんて、合評会バンザイですね。

カッコカッコと書きながら、わたしの文章もずいぶんとカッコを乱用しておりますが、これは必然性があるのか
ないのかと問われれば、まったくありません。


句会結果。

兼題「密」
6点  換気扇止めてマネキン倉庫地下    全郎
6点  プチトマト大人になったこと極秘   秋の子

雑詠
7点  妊娠線ではない方のシャンデリア    和枝
7点  じゃがいもをふいに投げたくなる天気  由紀子
6点  父さんの碗に入りたがる尻尾      彰子

おもしろかったのは妊娠線の句は俳人一人も抜いていなかったこと。
妊娠線とシャンデリアがあまりにも離れすぎて(平面から立体だし)意味が分からない、とのこと。
逆に柳人には十分受け入れることのできる飛躍。おそらく意味とかではなく、体感的なおもしろさとしての。

わたしの句もそれぞれ4点いただきました。
錠剤の密なるごっこ遊びかな    ようこ
さくらんぼの無学は国民的である


さくらんぼの句は「攝津を思った」と柊馬さんに言われました。ははは、さくらんぼを使った時点でそんな自分に
気づかないふりして作ったのがバレバレやん。(佐野氏の気持ちめっちゃわかります)

         国家よりワタクシ大事さくらんぼ    攝津幸彦


合評会でも麒麟さんが

口移す嗚呼愛国の食前酒    きゅういち

に「攝津を感じた」「川柳の句会に来て攝津の名前が普通に出てくるのにびっくりした。」とおっしゃいました。
由紀子さんが言われたように確かに川柳をやっている人に攝津さんのファン、多いんですよね。
それを言えば

目くそより鼻くそ大事老生徒    野沢省悟

これもそうだと思うんですけど。

    


俳人の方の「現代川柳論」、とても勉強になりました。川柳をしていながらみなさんより川柳を知らなさすぎる
自分がはずかしく・・・まさに川柳もと暗し。
実り多き合評会でした。そして2次会(延長戦あり)へ。てふこさんのパワーによろめきながらビビリながら。



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川柳カード8号合評会 

2015/04/13
Mon. 18:13

土曜日は川柳カードの合評会でした。

まずまじめに同人作品、参加している会員作品を評し合います。とはいえ、やはり人間とは弱いもので、
ご本人を前に発言するのはとても勇気がいるもので、ましてや「ここはどうなん?」的なことというのは
なかなか言えないのですよね。奥歯に電車がはさまってるような、その電車に閉じ込められてるような
きまずい空気が漂う。いい事もわるい事も言い合うことはわるい事ではないと思うんですけどね。

そんな中、ゆみ葉さんは、10句全体を通してしっかりと筋道たてて読みをしてくれはったり、
柊馬さんがご自身の句の種あかしをさらっとしてくれはったり、一筒さんがご自分の句に意味はないと
どこまでも無責任さをアピールしすぎてかえって怪しかったり、みなさんの川柳に対するスタンスみたいな
ものが見られて楽しいです。なんて悠長に人間観察してる場合じゃないんですけどね、ほんまは。
いつも意見を求められて、もじもじ、もごもごしてしまう。紺さんとわたし。(紺さんに失礼や)

(8号好きな一句)

川上で心の牛を取りかえる     小池正博

「心の牛」に参りました、とひれ伏しました。くやしいけど。
大きな体のくせして、いかにも草食動物特有の澄んだやさしい目をした牛と目には見えない心の大きさが
イメージ的にぴったり重なる。
日々の生活で摩耗していく精神に対し、何でも交換可能になっている時代の流れも見え、その軽々しさとともに
傷ついた自己の回収へとつながっていく。



合評会のあとは一人一句出しの句会。互選。

「舞」
舞姫のただ立っている停留所    秋の子
納得のできた棒から舞い上がる   とし子
尿酸の欠片皇帝円舞曲      一筒

「雑詠」
秀吉のDNAが出る桜     洋子
一羽だけ大きい鳩がいるピアノ    陽子
仕方なくマスク外して水を呑む    秋の子

こちらは誰の句か分からない中で批評し合うのですが、これが楽しいです。
作者が分からないから何を言っても許されるってわけでもないんですけど、やっぱり許されると思っているところが
あるんでしょうね。いい事もわるい事もさんざん言い合った後に呼名した時の皆さんの反応もまたおもしろい。
ちなみにわたしの句「一羽だけ~」のダメ出しはピアノにもピアノに鳩という取り合わせにも既視感があるそうです。

2次会でも由紀子さんにバシバシ言われたので「ピアノに既視感あったとしても、それ以外のところでそれを上回る
ものがあればいいんじゃ・・・」と反論したらば「ない!!」とそれはもう食い気味で一喝されるという、快・・・感。
どうも普段Sなわたしですが、こと自分の川柳になるとMになるみたいです。みなさん、もっとダメ出ししてね。

2次会ではクイズに正解したらお会計が安くなるという企画あり。
「ドラミちゃんが好きな食べ物は?」
「メロンパン。」ぜんちゃん美声で即答す。正解。ぜんちゃんがおたくでよかったよ。ありがとう。

そんなこんな川柳とお酒にどっぷりな一日でした。








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2019-09