北田辺1月句会 

2015/01/27
Tue. 20:30

くんちゃんの心づくしのおいしい手料理と紺さんがもってきてくれるおいしいお酒なくしては語れない北田辺句会。
金目鯛の煮つけ、最高に美味でした。
遅れていったにもかかわらず、ちゃんとわたしの分を残しておいてくれるあたたかさよ、優しさよ。

とりあえず呑んで食べて落ち着いたら始まる句会。
おもしろい人がつくる句はおもしろいし、へんな人がつくる句はへん。当然といえば当然なのだけど。



   三個めのもちに入っている夫     和枝

三個めの適当さ。もちに入っている夫という存在の耐えられない軽さ。たまらんね。



   一人飛ばしやと思たら逆立ちもするんか(←のような句、自信ない)  かがり

脱力系川柳作家かがりさん。こういう句が作れるのはもはや遺伝子レベルの問題と思うのだ。


わたしの句。

本当のことしか言わぬ枡教師
くるぶしに冬のかもめを刺繍する
剃刀が喉が夜汽車がこすれ合う
巡り巡って靴下の話
赤穿いて白穿かないで赤下げる
銀色に光る動物園前がずるい
北田辺過ぎたあたりがねっとりする
もじもじしてたら下半身がにじむ
あてがわれた部屋に筋肉質のアリス
妄想を一部修正してパンダ
八つ裂きにされて手袋だけ残る
ぎこちなく愛し合うもち屋の夫婦
サプライズでペリカンを苦しめる
飴玉も目玉もしゃぶるお母さん
終点はくらげばかりの靴べらで
黒猫を濾すと配達員たまる
長押しをしたら復活するいのち
寝返りをうった枝から泣きなさい
その時は聞こえる鳥の鼻呼吸
くじ引きでちくちくするズボン当たる


句会はその後川柳談義へというのが定番の流れ。誰かがいい話してたなあ。何だったっけ。
おそらく話した本人も覚えていない、そんな楽しい楽しい句会なのであります。









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巨乳です。 

2015/01/22
Thu. 13:03

巨乳になった夢を見た。
巨乳にはほど遠い現状に不自由はしていないのだが、年に1回か2回くらい、巨乳だと人生変わってただろうか、
どんな気分なんだろうかと思うことがある。
あるある!という女性陣の声が聞こえてこなかったら、これ、すこぶる恥ずかしいカミングアウトじゃないか。

ま、いいねんけど。

今から自然に巨乳になることは不可能なので、川柳で巨乳になってみた。
いや~川柳やっててよかった~。


巨乳にもいろいろあって春の風邪
壺買うと巨乳が一個ついてくる
巨乳から春一番までが遠い
大草原の小さな巨乳
巨乳みるみるみる揺れる金閣寺
サラダにも海老フライにもなる巨乳
路地裏のような巨乳の鰓呼吸
茶柱になるとき邪魔になる巨乳
神々をまぶし巨乳になることも
キャラメルにすれば明るい巨乳かな




きょ、巨乳すごい。巨乳がすごいのか巨乳という文字面がすごいのか。

エンドレス巨乳。






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杉野土佐一賞 

2015/01/16
Fri. 18:30

杉野土佐一賞の由紀子さんの選評に散文調の川柳が増えていることを懸念する内容が書かれている。

私が2年前に大賞をいただいた「ササキサンを軽くあやしてから眠る」のせいでもあるらしい(笑)
わたしは実はこの句のわかりやすすぎるところがずっと気に食わなかった。特選や大賞に選ばれるというのは
つまりそういうことなのであって、でも作ったのは紛れもないわたしなのだし、そんなふうに思っている句でも大賞を
いただけたことは心からうれしいのだけど、やっぱり分かりやすい句だと烙印を押されたような気がしてて、それを
由紀子さんに指摘され、要するにわたしは散文調に甘んじてたんだということに気づき妙に納得したのだった。

韻文と散文の違いは分かっても、散文調と言われたとたんに線引きがあやふやになってしまうわたしでも確かに
今回の抜かれた句を見ると(わたしが思うところの)散文調が多いなと感じるくらいだから、これはゆゆしき事態
なのかもしれない。全国でも注目度の高い土佐一賞だけに。
ただ、大会だからとか、抜けたいからとか思ってそうしたのではなく、普段からこういう散文調を作っているんじゃ
ないかなあ、みなさん。あ、わたしがそうなんで。

考えてみると、散文調でふわっと書くと、そのふわっに含まれる作者自身にもきちんと説明できないふわっとした
気持ちを読み手もまたふわっと受け取り、それが散文調であるがために前後の物語を作り上げやすく、作者が
思ってるとおり、もしくはそれ以上にふわっふわに膨らませてくれるという、なんともありがたくしくみになっている
んですよね。

この場合、作ったほうも分かってもらえたという喜びがあるし、読み手にも分かってあげられたという快感があるから
やめられない止まらないかっぱえびせんりゅうなのだ。

この関係が悪いとは思わない。これがあるから書いてるとこはおおいにあるのだし。

由紀子さんも書いているとおり韻文は難しい。せっかく日本人に生まれて川柳をやっているのだから、日本語の
和のリズムは大切にしたい。けど頭は散文調に慣れきってしまってるし、自分以外の人の心に引っかかるような
韻文なんてそうそうできるものでもない。

ということで、モチベーションを上げるべく少し不謹慎ではあるが、じゃあ今の快感よりもっとすごい絶頂感を味わう
ためにイメージトレーニングをしてみる・・・言葉のもつ未知の世界、それまでにない、読んだ人をあっと思わせる
ような新しい言葉の概念を発見・・・韻文やああ韻文や韻文や・・・できたっ・・・賞賛の嵐(←下衆の極み)

ああぁっ・・・・(絶頂感妄想体感中)

いいね、いいね。
でもそのためには「これはいい」と言ってくれる読み手が必要なので、由紀子さん、その時はよろしく。



  (注)くれぐれもよい大人のみなさんは、もっと純粋な気持ちで川柳を作ってくださいね。



普段からほとんど川柳を川柳と思わずに作句してるので(じゃあ何と思ってるのかと聞かれると困るのだが)、
今後はこのことも頭の片隅に置いて作句に励みたいと思います。


  


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ふらすこてん一月句会 

2015/01/11
Sun. 18:34

今年の初句会はふらすこてん。行ってきました。

50句の中から5句選ぶ。
選んだからには、当然それを選んだ理由と選ばなかった理由というのがあるわけなのだが、
それを聞かれた時の答えが毎度毎度ありきたりのものになってしまうのが我ながら情けない。

今回の最高得点句。


     花はやめたとバケツの中でいう   博造


句会では(怖くて)発言しなかったが、実のところわたしはまったくもって引っかからなかった句なのである。
由紀子さんは絶賛。そのもやもやを飲み会の席でぶちまける。お酒を飲むと俄然強気になるわたしなのである。

そりゃ言うでしょ。花やもん。あたりまえやん。しかもバケツの中って。ふつうやし。
(目の前の箸置きをつかんで)箸置きだって「箸置きはやめた」って言ってるし、わたしだって
「人間はやめた」って言うよ。

と言えば、間髪入れず「いやいやいや。そういうことちゃうやん。」ときゅうちゃんとぜんちゃんが声を揃えて言う。

じゃあ「そういうこと」が「どういうこと」なのか、はっきりわかるように説明してくれ。


そうなのだ。ある人にとってはおもしろいと思う「あたりまえ」でもわたしにとってはつまらない「あたりまえ」。
しょうがないよね、感じ方なんて人それぞれやから。

と平行線のまま終わってはあまりに進歩がないではないか。

と思い、歩み寄る・・・・

「バケツの中でいう」ということは、美しい花にふさわしくクリスタルの花瓶かなんかに活けられてたら言わないのか、
あるいは切り花なんかにされず、土に根っこを張って植物としての本来の姿で生きたかったのか。
単純に考えたら前者なんだろうけど、わたしは後者のほうが花に感情移入しやすい。
でもそうするとバケツであることの力は弱くなる。
じゃあ、花屋の店先のバケツの中で誇らしげにシャンと胸を張っている花たち(←ぜんちゃんイメージ)が
実は花としての誇りを傷つけられ、がんばることに疲れ、花はやめたとぼそっとつぶやけば、それはそれで
せつなく、自分の姿を重ねられなくもない。
そういうことなんかな?ろっぱさんには「陽子ちゃんの年齢ではまだ分からへん」って言われた。
人生経験か。確かに小説でも映画でも、読んだり観たりした時の自分の状況や気持ちの状態で受け取り方が
まったく違ってびっくりすることがある。この句もそういうものなのかもしれないな。



ふぅ。歩み寄り疲れ。(博造さん、ごめんなさい)




わたしお気に入りの一句。


     すぐ溶ける花とゆっくり溶ける花    柊馬


巧すぎて取らなかったという意見もあったが、巧くておおいに結構ではないか。とわたしは思うのである。
巧いなあとうならせてくれる句に出会うとうれしくなる。(大先輩に向かって恐れ多いね)


わたしの中で「溶ける」は腐っていくイメージ。花を水に挿しておいたら、茎の部分がどろどろと腐っていく花と
そうでない花がある。腐りやすい花は好きではないが、溶けると表現されると脳内では「蕩(とろ)ける」に変換され、
あれ、腐るってもしかして官能的なことなのかもと思ったりもする。

さらにこの句のいいなあと思うところは、すぐ溶ける花とゆっくり溶ける花があってどっちがどうだと何も言っていない
ところ。そこにやさしさが感じられるのだ。



では、最後にわたしの句。


  弁天の横に不純な牛乳屋
  ドアノブは生贄の手で磨きます
  美少年300円の黒字なり
  清らかに錯乱 花もアーメンも



最初から簡潔に書く気はなかったんだけど、書き終わって改めて読み返すと自分でもびっくりするほどの
ぐだぐだぶりに若干引いてます。これでいいのか?    
いや、これでいいのだ。(バカボンのパパ降臨)




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2015-01