北田辺4月句会
2015/04/28
Tue. 20:01
北田辺、諸事情での欠席多く、10名という久しぶりにこじんまりとした句会でした。
さて、今回もずらりと並ぶ手料理の数々。
「たまごのとろとろ揚げ」どうやって作るのかまったく想像がつかない。
誰かに説明してるのが何となく聞こえてたのですが、やっぱりこれは聞いておかないと(実際作るかどうかは
別にして)と作り方をくんちゃんに尋ねる。「まず、たまご1パック買ってきてやね~~、」に対し、
「そっからかいっ!」とつっこみを入れながら、まあその作り方聞いたらびっくりするわ。冷凍たまごやて。
160℃で4分4分やて。分かるかいっ!!と思ったあなた、くんちゃんに直接聞いてください。この日、多分
4回くらい説明してはったんで(ほぼ嫌がらせの域やね)、かなり説明もうまくなってると思われます。
遅れてきた茂俊さんに説明するときにはすっかり酔っぱらっており、「まずたまごを10パック買ってきてやね~、」て。
(10個(1パック)って言いたかったと思われる)ほんまもうコントか、ここはなんばグランド花月かっていうね。
あとチキンナゲット。いや、これもね、鶏天にもならずつくねにもならない裏ワザなのか表ワザなのかわからない
ワザあり。
くんちゃん、いつもありがとう。ごちそうさまでした。
さて、句会ですが、人数が少ないというのはちょとさびしいですが、よいですな、席題の数が一気に減りますし。
席題の後は封筒まわしを2回、1つの題に1句作るのと2句作るのにこんなにプレッシャーが違うもんかという
くらい、わたしは封筒まわしの方が楽しい。
今回もおもしろい句がたくさんありました。
ドアが閉まりますもっとシリカゲル かがり
(脈絡っていう言葉知リカゲル?)
ママが言うから3分の1実る かがり
(ママ、ママて、そんなにママが好きやったらママと結婚し)
その下唇にもう二人乗れる 一筒
(イヤやわ~・・・そこまで言うんなら乗るけど)
追い炊きをしているうちに子を孕む 一筒
(うち、追い炊き機能ついてへんわ・・・ごめん)
ジェット機が誕生石を聞いてくる 律子
(うわーすごいやん、よかったやん←棒読み)
挿入歌次第で明日のはまぐり きゅういち
(あしーたがある、あしーたがある、あしーたがあぁるぅさ~。ぱっかーん)
やはり土地柄か、つっこみを入れたくなるような句が多いように思います。
川柳にも県民性はありますな。
わたしの句。
呼名すると「呼名するまえから分かったわ」と言われるのはいかがなものか。
悪くとれば代わり映えしないということなのだが、即吟に代わり映えとか化粧映えとかショウジョウバエとか
考えてる暇はなく、それならもっとお暇をちょうだいいたしたいようなしたくないような、まあどっちにしたって
カモメはカモメであって、わたしはわたしなんであるからして科学的にも物質的にも生物的にもどうしようもない
のであることの見え透いた弁解をしたところで。
コーナンで買ったレモンが刃物ぶる
しいたけにレモンをかけてそっち系
にわとりの春のとさかを見て帰る
もも肉はむね肉よりも少女です
明日には粉末状になる魚
白い犬が白いめがねをかけている
男ならもっとバナナになりなさい
罪深きにんにく風呂に入る妻
ゴミの日カレンダーにぶどうたわわたわわ
実るほどまゆ毛の垂れるおじいさん
銀行に行こうジェット機で行こう
アスパラに袖のひとつやふたつ生えまして
鉛筆と出会い鉛筆と結婚する
鉛筆が先よ牛蒡は後にして
クリームを塗って傾向と対策
2メートル先から高らかににらむ
冷たいおにぎりお尻から齧る
やり方が違うC状の仲間
傷ついた油虫ほど憎い
電器屋のこむらがえりで目が覚める
エジプトの求人欄の死体かな
星くずと児童を載せる紙皿に
紙袋にじゃがいもビニール袋に赤ン坊
うしろからなぞるぶどう酒の下心
さて、今回もずらりと並ぶ手料理の数々。
「たまごのとろとろ揚げ」どうやって作るのかまったく想像がつかない。
誰かに説明してるのが何となく聞こえてたのですが、やっぱりこれは聞いておかないと(実際作るかどうかは
別にして)と作り方をくんちゃんに尋ねる。「まず、たまご1パック買ってきてやね~~、」に対し、
「そっからかいっ!」とつっこみを入れながら、まあその作り方聞いたらびっくりするわ。冷凍たまごやて。
160℃で4分4分やて。分かるかいっ!!と思ったあなた、くんちゃんに直接聞いてください。この日、多分
4回くらい説明してはったんで(ほぼ嫌がらせの域やね)、かなり説明もうまくなってると思われます。
遅れてきた茂俊さんに説明するときにはすっかり酔っぱらっており、「まずたまごを10パック買ってきてやね~、」て。
(10個(1パック)って言いたかったと思われる)ほんまもうコントか、ここはなんばグランド花月かっていうね。
あとチキンナゲット。いや、これもね、鶏天にもならずつくねにもならない裏ワザなのか表ワザなのかわからない
ワザあり。
くんちゃん、いつもありがとう。ごちそうさまでした。
さて、句会ですが、人数が少ないというのはちょとさびしいですが、よいですな、席題の数が一気に減りますし。
席題の後は封筒まわしを2回、1つの題に1句作るのと2句作るのにこんなにプレッシャーが違うもんかという
くらい、わたしは封筒まわしの方が楽しい。
今回もおもしろい句がたくさんありました。
ドアが閉まりますもっとシリカゲル かがり
(脈絡っていう言葉知リカゲル?)
ママが言うから3分の1実る かがり
(ママ、ママて、そんなにママが好きやったらママと結婚し)
その下唇にもう二人乗れる 一筒
(イヤやわ~・・・そこまで言うんなら乗るけど)
追い炊きをしているうちに子を孕む 一筒
(うち、追い炊き機能ついてへんわ・・・ごめん)
ジェット機が誕生石を聞いてくる 律子
(うわーすごいやん、よかったやん←棒読み)
挿入歌次第で明日のはまぐり きゅういち
(あしーたがある、あしーたがある、あしーたがあぁるぅさ~。ぱっかーん)
やはり土地柄か、つっこみを入れたくなるような句が多いように思います。
川柳にも県民性はありますな。
わたしの句。
呼名すると「呼名するまえから分かったわ」と言われるのはいかがなものか。
悪くとれば代わり映えしないということなのだが、即吟に代わり映えとか化粧映えとかショウジョウバエとか
考えてる暇はなく、それならもっとお暇をちょうだいいたしたいようなしたくないような、まあどっちにしたって
カモメはカモメであって、わたしはわたしなんであるからして科学的にも物質的にも生物的にもどうしようもない
のであることの見え透いた弁解をしたところで。
コーナンで買ったレモンが刃物ぶる
しいたけにレモンをかけてそっち系
にわとりの春のとさかを見て帰る
もも肉はむね肉よりも少女です
明日には粉末状になる魚
白い犬が白いめがねをかけている
男ならもっとバナナになりなさい
罪深きにんにく風呂に入る妻
ゴミの日カレンダーにぶどうたわわたわわ
実るほどまゆ毛の垂れるおじいさん
銀行に行こうジェット機で行こう
アスパラに袖のひとつやふたつ生えまして
鉛筆と出会い鉛筆と結婚する
鉛筆が先よ牛蒡は後にして
クリームを塗って傾向と対策
2メートル先から高らかににらむ
冷たいおにぎりお尻から齧る
やり方が違うC状の仲間
傷ついた油虫ほど憎い
電器屋のこむらがえりで目が覚める
エジプトの求人欄の死体かな
星くずと児童を載せる紙皿に
紙袋にじゃがいもビニール袋に赤ン坊
うしろからなぞるぶどう酒の下心
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センリュウセンリュウセンリュウ
2015/04/23
Thu. 17:30
嵐のニノが結婚していた。しかもすでに子どもがいた。お相手はわたしの既婚の友人。
どうやらその友人に騙されたと思っているニノ。そんな彼を慰めるわたし。赤ちゃんはかわいい双子。
そこに西島秀俊登場。西島秀俊とわたしは旧知の仲である。という設定で夢を見た。
西島秀俊が出てきてからのくだりがどうにも思い出せないのが本日の心残りである。
さて、平日飛行機に乗ると、ほとんどサラリーマンという現実を目の当たりにし、「ああ、みんな世のため
人のために働いているんだなあ」と思わせられます。「思わせられる」というのは「世のため人のために
ならない川柳を毎日しこしこと作っているわたし」という呆けた現実を付きつけられることであり、そういう
自分をつい責めてしまいそうになる状況なのであります。
そんな自分を慰めようと、フンコロガシは特に糞を転がす必要もないもないのにあんなに一所懸命糞を
転がしてるではないか。そしてまた、フンコロガシの中にもフンコロガサズがいるではないか。
登山家がそこに山があるから登るように、フンコロガシがそこにフンがあるから転がすように、わたしも
そこに川柳があるから作るのだ。
というかっこいい言い訳まがいを考えるのだが、どうも説得力に欠けるのである。
ニノからの西島秀俊からの夢から目覚めたわたしは、うつらうつらしながら川柳を作っていた。ポテトサラダの
裏メニューである。とてもいい句ができた、ような気がしたのだけど、今朝目覚めたときには一語たりとも思い出せ
なかった。あれは夢だったのか。
ともあれ、夢でも現実でも川柳を作っているというバカげた有り様をこの星ではしあわせと呼ぶのだろう。
現代川柳ヒストリア+川柳フリマ
わたしもお手伝いで参加させていただきます。
お時間のある方ない方、お近くにお住まいの方そうでもない方、色々な方にふらふらっと
立ち寄っていただきたく、お待ちしております。
どうやらその友人に騙されたと思っているニノ。そんな彼を慰めるわたし。赤ちゃんはかわいい双子。
そこに西島秀俊登場。西島秀俊とわたしは旧知の仲である。という設定で夢を見た。
西島秀俊が出てきてからのくだりがどうにも思い出せないのが本日の心残りである。
さて、平日飛行機に乗ると、ほとんどサラリーマンという現実を目の当たりにし、「ああ、みんな世のため
人のために働いているんだなあ」と思わせられます。「思わせられる」というのは「世のため人のために
ならない川柳を毎日しこしこと作っているわたし」という呆けた現実を付きつけられることであり、そういう
自分をつい責めてしまいそうになる状況なのであります。
そんな自分を慰めようと、フンコロガシは特に糞を転がす必要もないもないのにあんなに一所懸命糞を
転がしてるではないか。そしてまた、フンコロガシの中にもフンコロガサズがいるではないか。
登山家がそこに山があるから登るように、フンコロガシがそこにフンがあるから転がすように、わたしも
そこに川柳があるから作るのだ。
というかっこいい言い訳まがいを考えるのだが、どうも説得力に欠けるのである。
ニノからの西島秀俊からの夢から目覚めたわたしは、うつらうつらしながら川柳を作っていた。ポテトサラダの
裏メニューである。とてもいい句ができた、ような気がしたのだけど、今朝目覚めたときには一語たりとも思い出せ
なかった。あれは夢だったのか。
ともあれ、夢でも現実でも川柳を作っているというバカげた有り様をこの星ではしあわせと呼ぶのだろう。
現代川柳ヒストリア+川柳フリマ
わたしもお手伝いで参加させていただきます。
お時間のある方ない方、お近くにお住まいの方そうでもない方、色々な方にふらふらっと
立ち寄っていただきたく、お待ちしております。
[edit]
裏ポテサラ、始めました。
2015/04/19
Sun. 20:15
肉叩きときどきほかのもの叩く 石田柊馬
肉叩きのどかな初夜という遊び 榊 陽子
―――石田柊馬句集『ポテトサラダ』(2002年刊)より出航します。
[edit]
虫偏
2015/04/17
Fri. 20:09
苦手なことが多いです。そのひとつに「虫偏」。虫偏の漢字が読めません。覚えられません。
たとえば、
蜉蝣(かげろう) 蟷螂(かまきり) 蟋蟀(こおろぎ) 蝙蝠(こうもり)
蜻蛉(とんぼ) 蛞蝓(なめくじ) 蚯蚓(みみず) 蜥蜴(とかげ) 等々
書けないのはまあいい。おそらく張本さんも許してくれるでしょう。
はじめの頃は他の方の句で虫偏に遭遇した時、「えっと、、、」ってなって電子辞書で調べてたんですよ。
でもだんだんそれも面倒くさくなって「えっと・・・これはかげろ・・う・・・かな・・・うん」って。
「喝っ!!」 ですよね、ですよね。張本さん、ごめんなさいっっ。
別に虫が大嫌いというわけでもないです。人並みに好きだし嫌いです。
なんでこんなに覚えられないもんかね?と思えば
わたしは虫が出てくる夢をよく見るのですが、そのほとんどが悪夢です。
巨大な虫に襲われたり、大量の小さい虫に襲われたり。これは以前夢分析で調べたら、不安や自分への自信
のなさの表れなのだそうです。
なるほど、これだ。この正体不明の虫に押しつぶされる感じ(漢字)。画数の多さに虫がひしめき合って
いる感じ(漢字)。
そこから不安や自分への自信のなさがどっと押し寄せる。そして脳が委縮してしまうんだ。
じゃあ、しょうがないよねとあきらめたわけです。
ところが先日、珍しく虫が出てくるいい夢を見たのです。
それはこがねむしの父子ときりぎりすの父子が出てくるのですが、こがねむしの父はヴァイオリニストで
きりぎりすの父はチェリストなのです。(←すでにおかしい)ある日そのふたり(二匹)が突然いなくなる。
わたしはすぐに「死んだんだ」と悟る。悲しみにくれていると、どこからともなく美しい音色が聞こえてくる。
そこで、わたしは「はっ!!」と顔を上げる。そして「まさか!?」という表情。(ベタなドラマを見てるようでした)
それは、遺されたこどもたちが奏でる音でした。美しい演奏はしっかりと父から子へ受け継がれていたのでした。
わたしは、「おいで」とやさしく声をかけます。するとこどもたちふたり(二匹)が、わたしのてのひらに一目散に
駆けのぼってきてわたしは彼らに頬ずりするのです。わたしの頬には涙が光っているのでした。
すばらしい感動巨編の後の眠りから覚めたあの日の朝を思い出すと、今でも体が震えます。
わたし不安を、、いいえ虫偏を克服したのでしょうか。
次こそは張本さんに「あっぱれ」をいただけるでしょうか。(知らんがな)
虫偏を出るとき背骨あったよね ようこ
たとえば、
蜉蝣(かげろう) 蟷螂(かまきり) 蟋蟀(こおろぎ) 蝙蝠(こうもり)
蜻蛉(とんぼ) 蛞蝓(なめくじ) 蚯蚓(みみず) 蜥蜴(とかげ) 等々
書けないのはまあいい。おそらく張本さんも許してくれるでしょう。
はじめの頃は他の方の句で虫偏に遭遇した時、「えっと、、、」ってなって電子辞書で調べてたんですよ。
でもだんだんそれも面倒くさくなって「えっと・・・これはかげろ・・う・・・かな・・・うん」って。
「喝っ!!」 ですよね、ですよね。張本さん、ごめんなさいっっ。
別に虫が大嫌いというわけでもないです。人並みに好きだし嫌いです。
なんでこんなに覚えられないもんかね?と思えば
わたしは虫が出てくる夢をよく見るのですが、そのほとんどが悪夢です。
巨大な虫に襲われたり、大量の小さい虫に襲われたり。これは以前夢分析で調べたら、不安や自分への自信
のなさの表れなのだそうです。
なるほど、これだ。この正体不明の虫に押しつぶされる感じ(漢字)。画数の多さに虫がひしめき合って
いる感じ(漢字)。
そこから不安や自分への自信のなさがどっと押し寄せる。そして脳が委縮してしまうんだ。
じゃあ、しょうがないよねとあきらめたわけです。
ところが先日、珍しく虫が出てくるいい夢を見たのです。
それはこがねむしの父子ときりぎりすの父子が出てくるのですが、こがねむしの父はヴァイオリニストで
きりぎりすの父はチェリストなのです。(←すでにおかしい)ある日そのふたり(二匹)が突然いなくなる。
わたしはすぐに「死んだんだ」と悟る。悲しみにくれていると、どこからともなく美しい音色が聞こえてくる。
そこで、わたしは「はっ!!」と顔を上げる。そして「まさか!?」という表情。(ベタなドラマを見てるようでした)
それは、遺されたこどもたちが奏でる音でした。美しい演奏はしっかりと父から子へ受け継がれていたのでした。
わたしは、「おいで」とやさしく声をかけます。するとこどもたちふたり(二匹)が、わたしのてのひらに一目散に
駆けのぼってきてわたしは彼らに頬ずりするのです。わたしの頬には涙が光っているのでした。
すばらしい感動巨編の後の眠りから覚めたあの日の朝を思い出すと、今でも体が震えます。
わたし不安を、、いいえ虫偏を克服したのでしょうか。
次こそは張本さんに「あっぱれ」をいただけるでしょうか。(知らんがな)
虫偏を出るとき背骨あったよね ようこ
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川柳カード8号合評会
2015/04/13
Mon. 18:13
土曜日は川柳カードの合評会でした。
まずまじめに同人作品、参加している会員作品を評し合います。とはいえ、やはり人間とは弱いもので、
ご本人を前に発言するのはとても勇気がいるもので、ましてや「ここはどうなん?」的なことというのは
なかなか言えないのですよね。奥歯に電車がはさまってるような、その電車に閉じ込められてるような
きまずい空気が漂う。いい事もわるい事も言い合うことはわるい事ではないと思うんですけどね。
そんな中、ゆみ葉さんは、10句全体を通してしっかりと筋道たてて読みをしてくれはったり、
柊馬さんがご自身の句の種あかしをさらっとしてくれはったり、一筒さんがご自分の句に意味はないと
どこまでも無責任さをアピールしすぎてかえって怪しかったり、みなさんの川柳に対するスタンスみたいな
ものが見られて楽しいです。なんて悠長に人間観察してる場合じゃないんですけどね、ほんまは。
いつも意見を求められて、もじもじ、もごもごしてしまう。紺さんとわたし。(紺さんに失礼や)
(8号好きな一句)
川上で心の牛を取りかえる 小池正博
「心の牛」に参りました、とひれ伏しました。くやしいけど。
大きな体のくせして、いかにも草食動物特有の澄んだやさしい目をした牛と目には見えない心の大きさが
イメージ的にぴったり重なる。
日々の生活で摩耗していく精神に対し、何でも交換可能になっている時代の流れも見え、その軽々しさとともに
傷ついた自己の回収へとつながっていく。
合評会のあとは一人一句出しの句会。互選。
「舞」
舞姫のただ立っている停留所 秋の子
納得のできた棒から舞い上がる とし子
尿酸の欠片皇帝円舞曲 一筒
「雑詠」
秀吉のDNAが出る桜 洋子
一羽だけ大きい鳩がいるピアノ 陽子
仕方なくマスク外して水を呑む 秋の子
こちらは誰の句か分からない中で批評し合うのですが、これが楽しいです。
作者が分からないから何を言っても許されるってわけでもないんですけど、やっぱり許されると思っているところが
あるんでしょうね。いい事もわるい事もさんざん言い合った後に呼名した時の皆さんの反応もまたおもしろい。
ちなみにわたしの句「一羽だけ~」のダメ出しはピアノにもピアノに鳩という取り合わせにも既視感があるそうです。
2次会でも由紀子さんにバシバシ言われたので「ピアノに既視感あったとしても、それ以外のところでそれを上回る
ものがあればいいんじゃ・・・」と反論したらば「ない!!」とそれはもう食い気味で一喝されるという、快・・・感。
どうも普段Sなわたしですが、こと自分の川柳になるとMになるみたいです。みなさん、もっとダメ出ししてね。
2次会ではクイズに正解したらお会計が安くなるという企画あり。
「ドラミちゃんが好きな食べ物は?」
「メロンパン。」ぜんちゃん美声で即答す。正解。ぜんちゃんがおたくでよかったよ。ありがとう。
そんなこんな川柳とお酒にどっぷりな一日でした。
まずまじめに同人作品、参加している会員作品を評し合います。とはいえ、やはり人間とは弱いもので、
ご本人を前に発言するのはとても勇気がいるもので、ましてや「ここはどうなん?」的なことというのは
なかなか言えないのですよね。奥歯に電車がはさまってるような、その電車に閉じ込められてるような
きまずい空気が漂う。いい事もわるい事も言い合うことはわるい事ではないと思うんですけどね。
そんな中、ゆみ葉さんは、10句全体を通してしっかりと筋道たてて読みをしてくれはったり、
柊馬さんがご自身の句の種あかしをさらっとしてくれはったり、一筒さんがご自分の句に意味はないと
どこまでも無責任さをアピールしすぎてかえって怪しかったり、みなさんの川柳に対するスタンスみたいな
ものが見られて楽しいです。なんて悠長に人間観察してる場合じゃないんですけどね、ほんまは。
いつも意見を求められて、もじもじ、もごもごしてしまう。紺さんとわたし。(紺さんに失礼や)
(8号好きな一句)
川上で心の牛を取りかえる 小池正博
「心の牛」に参りました、とひれ伏しました。くやしいけど。
大きな体のくせして、いかにも草食動物特有の澄んだやさしい目をした牛と目には見えない心の大きさが
イメージ的にぴったり重なる。
日々の生活で摩耗していく精神に対し、何でも交換可能になっている時代の流れも見え、その軽々しさとともに
傷ついた自己の回収へとつながっていく。
合評会のあとは一人一句出しの句会。互選。
「舞」
舞姫のただ立っている停留所 秋の子
納得のできた棒から舞い上がる とし子
尿酸の欠片皇帝円舞曲 一筒
「雑詠」
秀吉のDNAが出る桜 洋子
一羽だけ大きい鳩がいるピアノ 陽子
仕方なくマスク外して水を呑む 秋の子
こちらは誰の句か分からない中で批評し合うのですが、これが楽しいです。
作者が分からないから何を言っても許されるってわけでもないんですけど、やっぱり許されると思っているところが
あるんでしょうね。いい事もわるい事もさんざん言い合った後に呼名した時の皆さんの反応もまたおもしろい。
ちなみにわたしの句「一羽だけ~」のダメ出しはピアノにもピアノに鳩という取り合わせにも既視感があるそうです。
2次会でも由紀子さんにバシバシ言われたので「ピアノに既視感あったとしても、それ以外のところでそれを上回る
ものがあればいいんじゃ・・・」と反論したらば「ない!!」とそれはもう食い気味で一喝されるという、快・・・感。
どうも普段Sなわたしですが、こと自分の川柳になるとMになるみたいです。みなさん、もっとダメ出ししてね。
2次会ではクイズに正解したらお会計が安くなるという企画あり。
「ドラミちゃんが好きな食べ物は?」
「メロンパン。」ぜんちゃん美声で即答す。正解。ぜんちゃんがおたくでよかったよ。ありがとう。
そんなこんな川柳とお酒にどっぷりな一日でした。
[edit]
笹田かなえ句集『お味はいかが?』
2015/04/06
Mon. 15:49
またひとつ椿に咲いてくれました
椿に椿が咲くのは自明のことだ。では椿に何が咲くというのか。「咲いてくれた」とあるからには咲いてうれしい
もの。たった一字の助詞「に」を使うことでありきたりの出来事が見たことのない世界に変わってしまう。
読み手はその不可解な世界に無関心ではいられない。
蛇いちご蛇になったら食べられますか
紅花のあかくあかくと搾られて
サルビアの蜜サルビアの口で吸う
木の椅子の木の背もたれの木のくぼみ
一句の中に同じ言葉がいくつか入っている句が多い。
その言葉への思いというよりは、その物を慈しむあまり、そうなってしまうというような印象を受ける。
やさしさと愛情が17音からこぼれおちる。ぽたりぽたり。
少しだけ濁ってやさし金魚鉢
そうそう、金魚鉢は少しくらい濁ってるほうがいいんだよね。
・・・・なんて思ったことない。
でも、家族や職場という小さな世界では何もかも見えないほうが幸せということも多い。
ってことで魚意、否、御意。
サーカスがくるよさみしいひとがくるよ
喜劇の裏にぴったりと張り付いているものはいつの世も涙であり、サーカスの舞台上の笑顔の裏側に
あるものもまた然り、である。
この句に言いようのない痛みを感じるのは、わたしもいつのころからかサーカスが見れなくなったから。
うさぎ抱くころしてしまいそうに抱く
「ころしてしまいそうに」に「ころしてしまわないように」という温かい気持ちと「ころしてみたい」・・・
とまでは思わなくても「このまま少し力を加えたら死ぬんだ」というヒヤリとした気持ちが混在する。
小さくて壊れやすい命を抱いたときのリアルな感情、誰もがいだいたことのあるはずの。
不器用でのん気できれい薬指
待ってと言って待ってもらってもどかしい
すきだらけの手に溶けていくぼたん雪
くちびるを切るかもしれぬ草の笛
飛べるかもしれない秋の扇風機
血の薄い家へと続く石の門
適当にって言われた雨の匂いした
なまざかななまあたたかく売れ残る
オルガンに脂が浮いてくる深夜
押し花のあっかんべェーと咲いている
引き出しが乙女の段で引っかかる
夕焼け小焼け誰がお空をころしたの
紫の椅子抱かれたら抱き返す
かなえさんは水っぽい。体から水の音がする。そして雨の日が似合う。
かなえさんの句は透明だ。普段目には見えない深いところにある情念を詠んでもさらさらと流れていく。
雪解けの春の小川のように。
「果物」と書くときちょっと手が濡れる 笹田かなえ
椿に椿が咲くのは自明のことだ。では椿に何が咲くというのか。「咲いてくれた」とあるからには咲いてうれしい
もの。たった一字の助詞「に」を使うことでありきたりの出来事が見たことのない世界に変わってしまう。
読み手はその不可解な世界に無関心ではいられない。
蛇いちご蛇になったら食べられますか
紅花のあかくあかくと搾られて
サルビアの蜜サルビアの口で吸う
木の椅子の木の背もたれの木のくぼみ
一句の中に同じ言葉がいくつか入っている句が多い。
その言葉への思いというよりは、その物を慈しむあまり、そうなってしまうというような印象を受ける。
やさしさと愛情が17音からこぼれおちる。ぽたりぽたり。
少しだけ濁ってやさし金魚鉢
そうそう、金魚鉢は少しくらい濁ってるほうがいいんだよね。
・・・・なんて思ったことない。
でも、家族や職場という小さな世界では何もかも見えないほうが幸せということも多い。
ってことで魚意、否、御意。
サーカスがくるよさみしいひとがくるよ
喜劇の裏にぴったりと張り付いているものはいつの世も涙であり、サーカスの舞台上の笑顔の裏側に
あるものもまた然り、である。
この句に言いようのない痛みを感じるのは、わたしもいつのころからかサーカスが見れなくなったから。
うさぎ抱くころしてしまいそうに抱く
「ころしてしまいそうに」に「ころしてしまわないように」という温かい気持ちと「ころしてみたい」・・・
とまでは思わなくても「このまま少し力を加えたら死ぬんだ」というヒヤリとした気持ちが混在する。
小さくて壊れやすい命を抱いたときのリアルな感情、誰もがいだいたことのあるはずの。
不器用でのん気できれい薬指
待ってと言って待ってもらってもどかしい
すきだらけの手に溶けていくぼたん雪
くちびるを切るかもしれぬ草の笛
飛べるかもしれない秋の扇風機
血の薄い家へと続く石の門
適当にって言われた雨の匂いした
なまざかななまあたたかく売れ残る
オルガンに脂が浮いてくる深夜
押し花のあっかんべェーと咲いている
引き出しが乙女の段で引っかかる
夕焼け小焼け誰がお空をころしたの
紫の椅子抱かれたら抱き返す
かなえさんは水っぽい。体から水の音がする。そして雨の日が似合う。
かなえさんの句は透明だ。普段目には見えない深いところにある情念を詠んでもさらさらと流れていく。
雪解けの春の小川のように。
「果物」と書くときちょっと手が濡れる 笹田かなえ
[edit]
北田辺3月句会
2015/04/01
Wed. 16:15
北田辺3月句会でした。
今回のくんちゃんの手料理、若ごぼうのたいたん?きんぴら?かな、がおいしかったです。
あ、たいたんは「炊いたん」で炊いたものの意で関西語です。
あと、キャベツをだしの効いた甘酢っぽいのに漬けてあるやつ。
食べるのに夢中でおしながき見るの忘れました。不覚。
そして、紺さんが「獺祭」を持ってきてくれはりました!!もちろん、磨き二割三分です。
喧嘩にならないようみんなに平等に、さながら配給のようにふるまわれました。
きたたなべ幸せすぎてこわい(心の自由律川柳)
カラフルがあふれさびしい時間帯 紀乃
いいなあ。カラフルなのにさびしい。カラフルだから余計にさびしさが迫ってくる。カラフルとさびしいは
相容れない言葉なのに、読み手にはちゃんと相容れられるように届けられる。
それは雑踏のなかでひとりぽつんと立ちつくしてるような孤独感。
わき毛からわけぎのぬたへおはようさん 一筒
一筒さんの句、いつも大好きです。ユーモアのレベル振り切ってますから。耳毛とか鼻毛と俗な言葉を使っても
なぜかどこか気品漂うのです。わたしはそれを「一筒の品格」と呼んでいます。
今回も見えない何かに追い立てらるように作りました。かなりの数作った割に抜かれた句が少ない。
抜けるとか抜けないとか全然いいんだけどね。
と言うと、「全然のあとには~ないを持ってくるべし」と言われるんだけど、じゃあ「全然わるくないんだけどね」
というとこれが全然よくないんだよね。
人間は肯定されて生きていくようにできてるんだと思うんDAYONE。
叔父さんの腋のあたりの急降下 ようこ
春巻きも夕焼けも撮るスニーカー
思春期は普段使いの筆である
春色のマントヒヒにはT字帯
たましいはいついつ出やるストライプ
シャーと言えば覆面レスラー発症す
肉球は十円ハゲの甘えかな
おはようございますカミソリの花が咲く
神さまもパンチパーマも猿である
全裸の猿が転がっている
ファミレスで両性具有の首が泣く
聖人に同性愛を注入す
見えますか銀のスプーンの偏頭痛
友だちは真夜中のエレベーター
今回のくんちゃんの手料理、若ごぼうのたいたん?きんぴら?かな、がおいしかったです。
あ、たいたんは「炊いたん」で炊いたものの意で関西語です。
あと、キャベツをだしの効いた甘酢っぽいのに漬けてあるやつ。
食べるのに夢中でおしながき見るの忘れました。不覚。
そして、紺さんが「獺祭」を持ってきてくれはりました!!もちろん、磨き二割三分です。
喧嘩にならないようみんなに平等に、さながら配給のようにふるまわれました。
きたたなべ幸せすぎてこわい(心の自由律川柳)
カラフルがあふれさびしい時間帯 紀乃
いいなあ。カラフルなのにさびしい。カラフルだから余計にさびしさが迫ってくる。カラフルとさびしいは
相容れない言葉なのに、読み手にはちゃんと相容れられるように届けられる。
それは雑踏のなかでひとりぽつんと立ちつくしてるような孤独感。
わき毛からわけぎのぬたへおはようさん 一筒
一筒さんの句、いつも大好きです。ユーモアのレベル振り切ってますから。耳毛とか鼻毛と俗な言葉を使っても
なぜかどこか気品漂うのです。わたしはそれを「一筒の品格」と呼んでいます。
今回も見えない何かに追い立てらるように作りました。かなりの数作った割に抜かれた句が少ない。
抜けるとか抜けないとか全然いいんだけどね。
と言うと、「全然のあとには~ないを持ってくるべし」と言われるんだけど、じゃあ「全然わるくないんだけどね」
というとこれが全然よくないんだよね。
人間は肯定されて生きていくようにできてるんだと思うんDAYONE。
叔父さんの腋のあたりの急降下 ようこ
春巻きも夕焼けも撮るスニーカー
思春期は普段使いの筆である
春色のマントヒヒにはT字帯
たましいはいついつ出やるストライプ
シャーと言えば覆面レスラー発症す
肉球は十円ハゲの甘えかな
おはようございますカミソリの花が咲く
神さまもパンチパーマも猿である
全裸の猿が転がっている
ファミレスで両性具有の首が泣く
聖人に同性愛を注入す
見えますか銀のスプーンの偏頭痛
友だちは真夜中のエレベーター
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