ふらすこてん8月句会 

2015/08/03
Mon. 15:25

暑いっ!!京都、暑い!!
関西で最高気温やったって。どうりで会場に着いた時にはもうヘロヘロ。やる気なんて途中で
溶けて一瞬で蒸発してしまったし、その代わり体にぬら重たいものがだらりとしがみついて離れない。
出たな、妖怪「ぬらりだらり」。更年期で弱った女体を特に好んで憑くという、奴である。(うそ)

「積む」の選をさせていただきました。

たましい半分溶けかけてたので、秀句をノートに(ブログ用に)書き留めておくのも忘れた。
 

草原に風マネキン積み上げて    やよい


だったと思う。だったと思う猛暑かな(上七ですがいいですか)(知らんがな)

不思議な句だと思った。草原(自然)とマネキン(人工)、風(動)とマネキン(静)、
マネキンが居る場所としてはふさわしくない草原、マネキンを積み上げるという不自然な行為、
それらを感じ、シュールな景がぱあっと浮かびました。でもよく考えると近代化に伴い、新しいものも
古いものも何の躊躇いもなく打ち捨てられ廃墟と化した現実がそこにあったのでした。


千人選(三人選て打ったつもりが)。集計必死か。

8点   社員章つけて案山子が立っている    喜八郎
7点   会社とはピサの斜塔の声である     柊馬
6点   風船を放つ会社をぶらさげて      きゅういち
6点   親指と小指ピクピクする会社      和枝


わたしは上位2句を取らなかった。
「社員章~」の句、パッと読んだ時、「つけて」の「て」が気になった。「つけた」だったら取るんやけどな、と思った。
案山子は社員の直喩で、案山子のように突っ立っている社員で、もちろん社員章は自分でつけたんでしょう。
となると、あまりにもそのまま過ぎないか?分かりやす過ぎる。分かりやす過ぎる句は嫌いではない。
実際5点句の分かりやすい句はいただいてます。

社長室気になる傘が置いてある     洋子

とても単純で分かりやすい。でもこの句、分かりやすいのに結局何一つわからないんですよね。どんな傘なのか、誰の傘
なのか、そもそもどうして気になったのか。そこを想像させる「傘」にあっぱれなんです。

話は戻ります。この句で作者が言いたいのは「案山子」なんだと思うのです。そこは外せないのだとしたら、と
考えたのです。「社員章つけた案山子」だと、まず案山子そのものがイメージされる。だから社員章も誰かの手に
よってつけられたもの。これらを暗喩と読めば、組織の中の生身の人間としてじゃなく、一つの形として、体裁を整える
ためにそこに立たされているという会社の心ないやり方、ドライな関係性まで見えてくるのですけど。

二つめの句は「傾いている」と言いたいんですよね。それだと「ピサの斜塔の声」じゃ弱いかな。「●●とは○○である」と
言い切るのであれば、もっと、え?なんでそうなんの?って思わせるくらいの強引さが欲しい。中途半端な優しさは
いらないのだ。
って、なんの話やねん。
っていうか、何様やねん。
陽子様ですけど、何か?(これ、お約束なんですみません)



くるぶしから鶴を出したりしまったり    ようこ
カリカリベーコンの山崩す合唱団
汚物処理係の塩辛い麦茶
からくもない天井見せられている
会長に代わり社長が落花生
黒揚羽ごと編み込んで残業す



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2015-08