北田辺9月句会 

2015/09/30
Wed. 18:30

まずは前回の句より。

腫れものが大手をふって歩き出す    くまひこ
ここよここお盆の母は目たちががり   みかこ
百円で市民プールに浮いている     幸彦
いのちを食べたのはガムテープだった  洋子
くねくねするものは新聞で包む     律子
案件はアルミの屋根の焦げたとこ    一艘
北極熊はナイターを見た        丁稚一号
ナイターで会っていっしょに猫になる  とし子
父さん母さん。洗面器のトマト     きゅういち
4本のタイヤに血液型を聞く      茂俊
キョンシーの死角とうもろこしの地獄  一艘


丁稚一号はいつもおもしろい題を出してくれます。この日は「知らんけど」。使うの関西だけかな。
まあ無責任の一言につきます。何言うても知らんけどって付けといたら許されるんですから。

    知らんけど十七条憲法守る    とし子





そして、今回は記念すべき第60回北田辺句会。
久しぶりにちかるさん登場。
ちかるさんという人は存外ひどい事をおっしゃいますが、カワイらしいなりと裏声のような地声で
たいしてひどい事を言っているように聞こえないので得だなあといつも思います。
そして、今回初参加の上井とまとさん。うわーーい!(・・・・シーーーン)
とまとさんは「日記を書く人」です。この日ははたから見てて可哀相になるくらいがんばって
作ってくれました。わたしも初めて来た日のことを思い出して吐きそうになりました。



わたしの句。

新米はまばたきもせずむせもせず
新米を着崩してからおにぎらず
全裸のなめくじ半裸のかたつむり
ひょこひょこついてくるから魚肉ソーセージ
迸る富と仮病とユンケルと
ささやかにこらしめてくれジャムパンを
温泉卵つるんと海峡を渡る
散らかして死んでいるから象である
角っこにお医者さんごっこがありあまる
寝て起きて中二男子の角度かな
桃缶は桃の死体を入れる缶
慎んで涎たらしているひよこ
ぶどうの種は内股でござる
ひらがなで書くからぬめるのでござる
タマネギがすぐ信号になりたがる
あしあとはマカロニグラタンである
うぬぼれて二夜連続でうさぎする

題が「ござる」て、ろっぱさん。(上五付けたくなる。)


この日のおいしかったモノたち。
・れんこんとお豆腐のピリ辛炒め。
・竹鶴。
・EXILEのCMのビール。
・ちかるさん。
・とまとさん。


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9月日記。 

2015/09/27
Sun. 00:13

9月某日
トイレのリモコン(流す、洗浄などの)が反応しなくなったので修理にきてもらう。
お兄さんが反応しなくなった理由を説明してくれる。
「受光部分がさみしがってますね。」

まじめそうなお人柄に聞き直すことができず。


9月某日
エスカレーターの前のおねえさんが腰ぐらいまでのロングヘアー。
髪の毛をやたら気にしている。乱れ具合からして貞子にまちがいないと、
顔を確かめようと思ったが、貞子の顔を知らないことに気づく。


9月某日
バスを待つ。
ふと、有名になりたいな、と思う。
でもメジャーにはなりたくないな、と思う。


9月某日
バスを待つ。
ふと、かいかぶられるのはいやだ、と思う。
でもみくびられるのも同じくらいいやだ、と思う。


9月20日
文学フリマのお手伝い。
となりは阪大短歌会さん。短歌男子やねと言うと、はい、短歌男子です、と答える。かわゆい。
大阪のおばちゃんよろしくさっそく川柳を売り込む。
「川柳カード」という名前に「カード、、、じゃないんですね」と何人かに言われた。
そうか、最近の若い子は、カードといえば対戦カードなんだ。がっかりされてがっかりする。
短歌や俳句の若い人たちにも買っていただいた。川柳をあまり読んだことがないという人にも
買っていただいた。ジャンルは違えど言葉、文芸に興味のある人たちとの交流はとても刺激的で
楽しい1日だった。


9月某日
そうか、「ねばーるくん」と「あばれる君」は別人物なのか。


9月某日
体育の先生になった同級生のKくんの現在、
「AV男優みたい。」だそうな。
分かったような分からんような、けどわたしのイメージするAV男優を想像し、爆笑。



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第3回川柳カード大会 

2015/09/14
Mon. 16:51

大会で受けたさまざまな余韻をひきずっています。

小池さんと柳本々々さんの対談、受付をしていたので途中入室。
もともとさんの好きな句の説明をしてはりました。
なるほど、、、勇気をもらえる句が多い。外道だし、ポだし、干からびたわたしだけれども、「けれども」だけれども、
いいんですか、わたしなんかでいいんですか、わたしなんかを連れてってもらっていいんですか、って、もともとさん
どんだけ下からなのよ。川柳はあなたを求めてますよ。ノドから熊手が出てますよ。

「選ぶということはあきらめること」「川柳はお別れの文芸、死の文芸」「にぎやかな死を裏側から描く」
「テン年代は記号の廃墟」「健やかな不健全さで救ってくれる」「定型が健やかさを守ってくれる」
もともとさんのお話を伺って、そうか、川柳ってネガティブなところから出発してるんだなあ、でもその先には
必ず<定型>という光が<非定型(否定形)>のわたしを救ってくれるんだとおもったんです。言葉を持った苦しみは
言葉で癒されるしかないとおもうんです。だから最後に「現代川柳はおもしろくたくましい」と言われたとき、
ああ、わたしもきょうから、おもたくましく生きていこう、とおもえたんです。(もともと風?)(いいえ、全然)

あ、ちなみにわたしは大好きな某柳人に「あなたの句には救いがない」と言われたことがあります。イエイ。

第2部は句会。

それぞれの選、披講の仕方に個性があり、おもしろかったです。
特にくんちゃんは、くんちゃんが読むと全部秀句に聞こえるというお得な読みっぷり。

大会で抜かれる句はどうも軽く、一読(一聞)明解な句が多いような気がします。最近はそれがちょっと物足りない
気がして少しまじめに考えた句(わたし基準)を出すようになりました。だからか、あまり抜けません。
それは承知の上ですから、結果は気にしません。

印象に残った句(表記ちがってたらすみません)

美りっ美りっ美りっお言葉が裂けている  軒わ  
(言葉あそびだけにとどまっていない悪意)
孤独ばっか光らせて、自販機かよ  桐子  
(呼名するまえにもともとさんだと思ったら、桐子さん。感覚の若さに負けた。)
昭和からふっ飛んでくる金盥   ユキオ 
(よくぞ見つけた。)
オバQの顔の余白が多すぎる   ちかる 
(唯一吹きだした句。ちかるさんかよ。)
白地に赤くその後お元気ですか  義    
(日常のずらし、はぐらかし加減よ)
母よりも白き足なしサロンパス  由紀子 
(白×サロンパスはくどいようだが、どちらの白も負けてなく◎)
大人になったのでピーマンを残す     怜    
(なんじゃそら、のあとにくる大人の悲哀)

中山奈々ちゃんにひどいこと言いました。「選が地味やった。」ごめんね、桐子さんの句、奈々ちゃん選でした。


わたしはこの日3句。

帆船のネジに美談を塗りたくる (「美」くんじろう選)
白菊をゆでこぼすとき気象庁 (「白」石田柊馬選)
きんぎょ乙大いに太らせて誤植 (「大」樋口由紀子選)


大会のよいところは普段お会いできない方との再会、出会いであります。
昨年、わたしが青森に行って以来、1年ぶりの徳田ひろ子さん、一帆さん。去年初めてお会いした時から
気さくで男前なおねえさん、お姐さん?こんなコテコテな関西人の中で、2度付け禁止の串揚げのごとく
どっぷりと全身ソースにつけられてもものともしないご様子。さすがおかじょうきの山姥妖怪2匹(一艘さん
曰く)でした。

俳句の方ともたくさんお喋りできました。西原天気さん、小倉喜郎さん、岡村知昭さん。
西原天気さんは週刊俳句を運営されているすごい人。どきどきしました。舞い上がって、アホ丸出しで喋って
しまいました。西原さんは文章を読んだイメージどおりとてもスマートな無駄のない話し方をされる方でした。
そして、奈々ちゃん。めっちゃかわいい。連れて帰りたかった。連れて帰って、ジャーキー食べさせてあげた
かった。ほんで「ハウスっ」って言いたかった。犬かっ。うん、俳句する愛玩犬として、愛玩したい。

この心地良い刺激の余韻が残っているあいだに詠みたい、と思う・・・のだけれども。







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ふらすこてん9月句会 

2015/09/10
Thu. 00:54

京都まで電車に乗ること1時間。句ができている日は本を読みます。でも電車では何かと(隣の会話に
耳を傾けたり、幸せ絶頂カップルをほほえましく盗み見たり)集中できないので、だいたいエッセイを
読むことにしています。ところがわたしはエッセイというものにほぼ笑いを求めているので、公共でしかも
小さな空間で読む場合、たまにそれが危険物となることがあります。

先日などは松尾スズキ氏のエッセイを読んでいたら、ページをめくっていきなりタイトルが「ウンコのタイミング」。
わっ、と思ってすぐに本を閉じる。前に立っていたサラリーマンをできるだけ自然な上目使いで見る。
だいじょうぶ、見られた様子はない。そして再び本を開く。栞がわりにしていた紙切れでタイトルを隠し、今度は
堂々とあたりを見回す。別に怪しいモン読んでないっすよアピール。エッセイ読むのも命がけ。

そして、この日は土屋賢二氏のエッセイ。あかん、あかん。笑わせないでくれー。こわいよ、こわいよ。
逆にわたしがこんなおばさん見たら、ぜったいつぶやくから。(ツイッターしてないけど)
「阪急電車なう。(←古い?)恐怖のニヤニヤおばさん現る!ひぃっ!」


まあ、こんな感じでニヤニヤドキドキしてる間にふらすこてん会場に到着します。

句会です。
三人選は「社会」。題が題だけに真面目な句、説明している句が多かったです。
それと「社会」を読み込まない句がいつもより多かったような。
わたしなんかは題を読み込まないで作ろうという気がそもそもなく、「読み込み不可」なんてところもある
というのをつい最近知ったばっかりだし、題を読み込まないでうまく詠めたほうがなんとなくポイントが
高いのかなあ(人によるのかもしれないけど)と感じる時もありながらも、2句ともばっちり読み込みで。



6点   政局がどうあれ化粧品売り場   祥文
6点   定位置にタマが座っている秩序  彰子
5点   長イスに社会 社会に古代米   全郎
5点   ベレー帽をみんな被っている社会  きゅういち
5点   かくれんぼできない社会の犀の尻  柊馬
5点   第2病棟階段下に五人     一筒
5点   代々の擂り粉木持ってケアハウス  彰子


今回は特に可も不可もなく、選も割れました。

個人的には彰子さんの「定位置にタマ~」に、タマが死んだあと、2代目駅長がちゃんと準備されていたことに
なにか空恐ろしさを感じていたので思わずうなずいてしまいました。秩序は言いすぎかなと思いましたが、祥文
さんはいるって言うてはりました。う~ん、そのへんがわたしにはまだ分からない。
そして「代々の擂り粉木」。子が親と一緒に住んで最後まで世話をするということが自然に行われていたころの
家族制度というものがどんどん廃れていっている現代に、すり減った擂り粉木が愛おしくもあり、かなしくもあり、
すばらしく鈍器。でした。


わたしの句。

充電を終えたルンバが頭取だ
英検も2級までなら季語である
つらすぎて金魚をはみだしてしまう
秋晴れにもっともらしい剥がし方
胡桃にも社会性あり毛が抜ける
平凡に割れる社会だ脱糞だ


飲みすぎた日の帰り道の遠いこと・・・ふらすこてんは魔の道か。
行きはよいよい、帰りはこわい。    (然らば通る)     だれっ!?



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北田辺8月句会 

2015/09/03
Thu. 18:11

前回載せた句に聞き間違いやら表記やら、かなり違ってたので反省。
これからは句会報が届いてから載せたいと思います。

前回の句会より

ゆっくりと電線を張る鼻の穴    柊馬
電線を巻きつけている北新地    紫乙
膝上と膝下だけの言い争い     茂俊
膝が言うから親族代表になる    かがり
真実の鼻をレゴブロックで作る   くんじろう
我が家の奥さんをキムタクにゆずる 幸彦
ゆずる筈のおもちゃを抱いている  律子
信玄袋からシビレエイの雌     一筒
なんか痒いねん黒目がちやねん   かがり
三本目のキュウリから大正天皇   一筒
喃語新聞を君も読みたまえ     ゆみ葉
人形をけとばし宇宙に浮いている  柊馬
コロリと音立てて博多人形の右手  和枝
殿様が残高照会しているよ     律子
ティッシュ「るん」純米「るん」おとん「るん」 きゅういち


さてさて、土曜日はカードの合評会。そして日曜日は川柳北田辺。
どんだけ川柳好きやねん!一艘さん、とし子さん!てね。みんな一緒です。
そんな人たちが集まるここは大阪、北田辺。
前日に引き続き、青森から一艘さん、北海道からとし子さんが参加です。

くんちゃん、前日遅くまで一緒に飲んで、この日は3時に起きて仕込み開始。
ほんまに頭が下がります。数えてないけど10品以上あったと思う。

わたし、前日に絶対くんちゃん大変やと思って「手伝いにいこか?」って言ったんです。
「いや、だいじょうぶ。」っていう返事が返ってくると思ってね。だってデキる人にしてみたら
かえって誰か手伝うほうが気を遣うし足手まといになるやろうし、でも気持ちだけはと思って一応。
そしたら「ほんま!?」って身を乗り出して言われたんで、えぇーーーっ!?ってなったわ。
「ごめん、言うてみただけやねん」と言いつつ、行けたら行こうとは思ててん。ほんま思ててんけど、
朝起きて、あ、やっぱ無理、ゲップ。午後、北田辺に着いてもしばらく、ゲップ。
きのうあんなにご機嫌やったとし子さんは相変わらずさわやかな笑顔してはるし、一艘さんもガンガン
焼酎水割り飲んではる。なんで?くやしい。

こんな二日酔いで句なんかつくれるかいっと思っていたら、今回席題のルールが緩くなってました。
席題は2句提出だけど、1句でもOK。この日は15人ほどいたから、30句が15句になるのだ。ありがたや~。
でも一艘さん、すごいです。ちゃんと2句ずつ作ってました。珍しくすごい真面目な顔して作ってました。
すごい真面目な顔して作ってたので邪魔しに行ったら「この野郎~」って。めっさ可愛いというか、おちょくりがい
があるというか。
とし子さんは慣れない即吟の嵐に壁に向かってスタンディング作句。みなさんの作句風景もそれぞれで
これ、ドキュメンタリーにしたらめっちゃおもしろいと思う。今度隠し撮りしよかな。

席題のあとは封筒回し。が、この日かがりさんがいなくて、誰も封筒やら句箋やら準備するひとがいなくて
しかたなくわたしがするも、句箋の置き場所さえ知らんっていう。封筒回しも自由吟とかいうことになって
どの封筒に自分の句を入れたんかもわからんなって、もうぐだぐだ。
一艘さん、とし子さん、いつもはもうちょっと、もうちょっとだけちゃんとしてるんです。ほんまにごめんなさい。
もっともっと川柳したかったですよね・・・でも、もうみんな酔うてたし、疲れてたし。
で、カラオケ行こかってことになって(カラオケは別腹)梅田へ。
1年ぶりに一艘さんの歌声を聴いてふたたびシビレました。これこれ!このハスキーボイスで何人の女性を
泣かせたんでありましょう・・・。


今回のわたしの句。あかん、ウケ狙いに走りすぎてる・・・いつもか。

メロン図が届く湿った朝だから
産休の兄に朝つゆが落ちる
朝顔のあとの時間は浮いている
新聞が今日もカボチャを咲かせている
弘前の屋根を担いで伸び悩む
竹以上夫人未満に愛される
マスキングテープを貼ればトマトです
韻を踏むつもりが糞を踏むタイヤ
女子高生の音でごまかすホウセンカ
ボタンくらい自分でつけなさいバナナ
辛口でくすぐる排卵日の紫乙
オクラってプレハブだよねしらんけど
母さんがみみくりあっている2階
青森の豚に真珠を埋め込んで


一艘さん、とし子さん、またまぐわいましょうね~。









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川柳カード第9号合評会 

2015/09/01
Tue. 16:11

今回は若手俳人をゲストにお迎えしての合評会。
松本てふこさん、西村麒麟さん、久留島元さん、みなさんピッチピチの30代前半。
その中でも最もピッチピチの久留島さんに「川柳界の若手のサカキさん」と言われると、馬鹿にされてる感しか
伝わってこない。くそっ。
そして、初参加は「おかじょうき」所属、青森から奈良一艘さん。若手ではありません。でも色んな意味でピッチピチ。
弾けてます。句も人も。じゃなかったら大阪まで来ないでしょ。

今回の合評会の内容は、10号に掲載されるということでそちらを楽しみにしてください。(丸投げか)

とはいえ、少しだけ。
最近では句にカッコ()を使うというのは珍しくないと思うのですが、


猫の道魔の道(然れば通る) だれ    飯島章友


いい、悪いではなく成功してるか否か。
然れば通るは誰の声なのか、誰が誰に言っているのか、「だれ」とは誰なのか。
カッコを使うことで謎が深まった方が多かったようです。
あと、連作の場合、そういう記号を使った時の残りの9句との関連性も大切だという話。
勉強になります。

実は奇しくもわたしもカッコを使っていたので、めちゃくちゃ言いにくいのですが、言いました。(言うんかーい)
カッコがあってもなくても変わらないのでは?と(そしてやっぱり否定)
カッコ内は誰の言葉でもなく自分の心の声だと、つまり自問自答だと思ったからです。だからカッコの必然性を
感じなかったのです。その時は。

それと自分の鼻くそは汚いとは思わないけど、人の鼻くそは汚いのと同じ心理現象かもしれません。
鼻をほじほじする行為(カッコを使うこと)には抵抗はないけれど、その鼻くそ(カッコ)をどうするよ?ってとこです。
喩えが下品すぎてすみません。
つまり自分が使う記号はアリでも、人が使う記号や変形させた表記なんかにまず嫌悪感を感じます。(器が小さいだけ?)
そういうマイナスからの読みに入るせいか、

    慎重に選考致しました結果、誠に残念ながら、今回は貴意に添いかねる結果となりました。
    せっかくのご期待に添えず、大変申し訳ございません。
となることが多い。(不採用通知か)

が、が、が、
今これを書きながら、カッコを付けることで深まった謎が、句のおもしろさというか怖さを増幅させているので、
これはアリなんではないかと、思い始めている自分がいます。
なんというか、童謡の「通りゃんせ」的な怖さ。
行きはよいよい帰りはこわいって言ってるのに通りなさいっていう、あの振り下ろされる腕と腕にはさまれて
どこかに連れて行かれるのを待ってるようなゾクゾクする感じ、に徐々にハマっていくわたし。
わぁ。みなさんの話を聞く前と後で自分の意見が変わるなんて、合評会バンザイですね。

カッコカッコと書きながら、わたしの文章もずいぶんとカッコを乱用しておりますが、これは必然性があるのか
ないのかと問われれば、まったくありません。


句会結果。

兼題「密」
6点  換気扇止めてマネキン倉庫地下    全郎
6点  プチトマト大人になったこと極秘   秋の子

雑詠
7点  妊娠線ではない方のシャンデリア    和枝
7点  じゃがいもをふいに投げたくなる天気  由紀子
6点  父さんの碗に入りたがる尻尾      彰子

おもしろかったのは妊娠線の句は俳人一人も抜いていなかったこと。
妊娠線とシャンデリアがあまりにも離れすぎて(平面から立体だし)意味が分からない、とのこと。
逆に柳人には十分受け入れることのできる飛躍。おそらく意味とかではなく、体感的なおもしろさとしての。

わたしの句もそれぞれ4点いただきました。
錠剤の密なるごっこ遊びかな    ようこ
さくらんぼの無学は国民的である


さくらんぼの句は「攝津を思った」と柊馬さんに言われました。ははは、さくらんぼを使った時点でそんな自分に
気づかないふりして作ったのがバレバレやん。(佐野氏の気持ちめっちゃわかります)

         国家よりワタクシ大事さくらんぼ    攝津幸彦


合評会でも麒麟さんが

口移す嗚呼愛国の食前酒    きゅういち

に「攝津を感じた」「川柳の句会に来て攝津の名前が普通に出てくるのにびっくりした。」とおっしゃいました。
由紀子さんが言われたように確かに川柳をやっている人に攝津さんのファン、多いんですよね。
それを言えば

目くそより鼻くそ大事老生徒    野沢省悟

これもそうだと思うんですけど。

    


俳人の方の「現代川柳論」、とても勉強になりました。川柳をしていながらみなさんより川柳を知らなさすぎる
自分がはずかしく・・・まさに川柳もと暗し。
実り多き合評会でした。そして2次会(延長戦あり)へ。てふこさんのパワーによろめきながらビビリながら。



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2015-09