北田辺7月句会
2016/07/26
Tue. 10:15
先月号より
いい竹が取れた冷酒を持って来い 茂俊
ひまわりになるんだパンツは穿かない かがり
少年に戻る土瓶を割りながら 律子
靴底に百円玉をかくし持つ 丁稚一号
御座候をおみやげにした御座候 くんじろう
7月句会は北田辺70回句会でもありました。おめでとうございます。
毎月、十何人分ものメニューを考え、前日からの買い出し、仕込み、当日早朝からの準備、わたしなんかが
大変だろうなあと思う以上に大変なのであって、そんなありがたく思う気持ちはお料理をお皿に取りながら、
徐々に薄れていき、食べ始めたときには安定の美味しさにおいしいという言葉を言い忘れること毎度、
なのでして、くんちゃんいつもありがとう。
そして今年初参加というちかるさん、川柳未経験のすーちゃんのおかげで女子力は低いが女子率は高めで
盛り上がりました。女子句会したらきっとたのしいやろなあ、とふとモジリアニったりして。
みなさん、土曜日は『飯田良祐句集を読む集い』がありますよ。
アスパラベーコンはふとモジリアニったりして 飯田良祐
閉経とさらっと嘘をつく長屋 陽子
小脳が海老で海老が井上陽水で
ガチガチに柘榴はひらく一家離散
マンゴーや終わらない午後の触診
中央改札口になるまでひよひよを諭す
小生とディスコでエンジョイしませんか
心臓を削けば籠の中トゥルル
淑女から曲がるスプーンの声がして
つっかけも履かずに双子ひっかけた
相談はヘラジカ海に満ちてくる
反対に回すかがりとマーガリン
洗い物族を長くしてカルボナーラ
八重歯見せまばたきをする鉄少女
口に綿詰めてさらに満月
さかなさかな放置自転車に暮れる
さて、こんなわたしでも人にめいわくをかけないように生きていきたいと思っているのだが、この日もまたやって
しまったわけで、翌日かがりちゃんに『ちょっとだけ死にたい気分です。』とメールしたら『ちょっとだけは
死なれへんなあ。』というメールが返ってきた。ありがとう。
いい竹が取れた冷酒を持って来い 茂俊
ひまわりになるんだパンツは穿かない かがり
少年に戻る土瓶を割りながら 律子
靴底に百円玉をかくし持つ 丁稚一号
御座候をおみやげにした御座候 くんじろう
7月句会は北田辺70回句会でもありました。おめでとうございます。
毎月、十何人分ものメニューを考え、前日からの買い出し、仕込み、当日早朝からの準備、わたしなんかが
大変だろうなあと思う以上に大変なのであって、そんなありがたく思う気持ちはお料理をお皿に取りながら、
徐々に薄れていき、食べ始めたときには安定の美味しさにおいしいという言葉を言い忘れること毎度、
なのでして、くんちゃんいつもありがとう。
そして今年初参加というちかるさん、川柳未経験のすーちゃんのおかげで女子力は低いが女子率は高めで
盛り上がりました。女子句会したらきっとたのしいやろなあ、とふとモジリアニったりして。
みなさん、土曜日は『飯田良祐句集を読む集い』がありますよ。
アスパラベーコンはふとモジリアニったりして 飯田良祐
閉経とさらっと嘘をつく長屋 陽子
小脳が海老で海老が井上陽水で
ガチガチに柘榴はひらく一家離散
マンゴーや終わらない午後の触診
中央改札口になるまでひよひよを諭す
小生とディスコでエンジョイしませんか
心臓を削けば籠の中トゥルル
淑女から曲がるスプーンの声がして
つっかけも履かずに双子ひっかけた
相談はヘラジカ海に満ちてくる
反対に回すかがりとマーガリン
洗い物族を長くしてカルボナーラ
八重歯見せまばたきをする鉄少女
口に綿詰めてさらに満月
さかなさかな放置自転車に暮れる
さて、こんなわたしでも人にめいわくをかけないように生きていきたいと思っているのだが、この日もまたやって
しまったわけで、翌日かがりちゃんに『ちょっとだけ死にたい気分です。』とメールしたら『ちょっとだけは
死なれへんなあ。』というメールが返ってきた。ありがとう。
[edit]
夏だ!
2016/07/11
Mon. 22:16
夏だなあ、と思う。
裏のお宅のご主人のウクレレが聞こえ始めると
夏だなあ、と思う。
という風に人それぞれの夏の風物詩というものがあると思う。
わたしの場合、ほかに
西瓜を食べたとき、ではなく、西瓜のお漬物(赤い部分を少し残した白い部分の浅漬け)
を食べたとき、ああ、夏だなあと思う。
あと、夏といえばアイロンがけである。(冬はのっぴきならない事情がないとアイロンがけはしない)
エアコンの効いた部屋でかけるアイロンがけは最高に楽しい。
たぶん、こたつで食べるアイスクリームみたいなものだと思う。
嬉々としてアイロンをかけている自分に、ああ、夏だなあ、と思う。
川柳には季語がないので、俳句で季語として使われている言葉を使ったとしても川柳自体に季節感を
感じることが少ない。夏の季語(たぶん)の、きゅうりとか茄子とかズッキーニとか、その外観のフォルム
から受ける印象で、どちらかと言えばその存在を小馬鹿にした使い方をすることも多い。
当然年がら年中使用可能。いまどきのスーパーの野菜売り場と一緒です。
そうやって考えると、俳句の方などは、この季語が使える季節になって、ああ、夏だなあ、などと思ったり
するのだろうか。そこはちょっと羨ましい気がする。
でも川柳だからこそ、こんな句が夏に作れたりするのかな、という一句。
風鈴と冷やし毛皮を売り歩く 竹井紫乙
いや~夏だね~。冷やし毛皮の季節だよぉ。ってなるかい!
毛皮は(たぶん)冬の季語ですよね。でも冷やし毛皮は夏の季語でしょ。でかした。
それだけでは押しが足りないと風鈴(たぶん夏の季語)まで付けて夏の句に仕立てあげる如才なさは、
さすが川柳人ですな。
裏のお宅のご主人のウクレレが聞こえ始めると
夏だなあ、と思う。
という風に人それぞれの夏の風物詩というものがあると思う。
わたしの場合、ほかに
西瓜を食べたとき、ではなく、西瓜のお漬物(赤い部分を少し残した白い部分の浅漬け)
を食べたとき、ああ、夏だなあと思う。
あと、夏といえばアイロンがけである。(冬はのっぴきならない事情がないとアイロンがけはしない)
エアコンの効いた部屋でかけるアイロンがけは最高に楽しい。
たぶん、こたつで食べるアイスクリームみたいなものだと思う。
嬉々としてアイロンをかけている自分に、ああ、夏だなあ、と思う。
川柳には季語がないので、俳句で季語として使われている言葉を使ったとしても川柳自体に季節感を
感じることが少ない。夏の季語(たぶん)の、きゅうりとか茄子とかズッキーニとか、その外観のフォルム
から受ける印象で、どちらかと言えばその存在を小馬鹿にした使い方をすることも多い。
当然年がら年中使用可能。いまどきのスーパーの野菜売り場と一緒です。
そうやって考えると、俳句の方などは、この季語が使える季節になって、ああ、夏だなあ、などと思ったり
するのだろうか。そこはちょっと羨ましい気がする。
でも川柳だからこそ、こんな句が夏に作れたりするのかな、という一句。
風鈴と冷やし毛皮を売り歩く 竹井紫乙
いや~夏だね~。冷やし毛皮の季節だよぉ。ってなるかい!
毛皮は(たぶん)冬の季語ですよね。でも冷やし毛皮は夏の季語でしょ。でかした。
それだけでは押しが足りないと風鈴(たぶん夏の季語)まで付けて夏の句に仕立てあげる如才なさは、
さすが川柳人ですな。
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玉野市民川柳大会
2016/07/04
Mon. 16:54
今頃何を言ってるんだと言われるかもわかりませんが、選者を引き受けるって大変なことだったんだな。
苦しかった理由は自分の中にある取る、取らないのラインの設定の誤りだと思う。なかなか数が合わなくて
途中からのぼせてクラクラしてくるし、冷や汗かなにかわからないものが吹き出してくるし、頭がガンガンして
くるし、いとくるし。選句後、常に携帯している頭痛薬を飲み、こんな情けない頼りない選者でごめんなさい、と
思いながら披講に臨んだのでした。
わたしが特選に選んだ句
潜むには大きな音を出すカバン 川添郁子
「潜む」という題だと、○○が●●に潜むという単純な句になりがち(取り合わせ如何でおもしろい句になる)
ですが、この句は潜む場所の説明をちゃんとしてくれてありがとう、と思いました。ありがとうと思いながら
大きな音を出すカバンてどんなんやねん、とも思いました。人が潜むにはカバンは小さすぎだし、じゃあ
人が入れるくらいのカバンだと考えたら、それがそこにあるだけでばれてしまう。そんなツッコミを一瞬にして
済ませたあとは、そもそも大きな音を出すカバンて、と結局そこに戻ってくるのです。大きな音を出すカバン
を選ぶということは、そこに潜んでいるモノはそこそこ大きな音を発しているんでしょうし、大きな音「が鳴る」
ではなくて「を出す」ということでカバン自体に肉体や生を感じてしまう。
なんとも不思議なおもしろさを醸し出す句です。
普段から句会でご一緒している、近しい選者さんが多かったせいか、特に気負うこともなく(無意識には
気負ってるんでしょうが)投句できました。
今回の共選、いつもより重なりが少なく、それぞれの選者さんの個性が出た、よい大会だったと思います。
脱水(脱汗)による熱中症気味の選のあとのビールは最高に美味でした。
街中の鳥が主義なら潜むだろうね (潜む・軸吟) 陽子
太陽に月を翳して初潮あるある (太陽)
胸骨がゆがむ金魚をこじらせて (姿勢)
火葬場のふっくらとした高低差 (高)
苦しかった理由は自分の中にある取る、取らないのラインの設定の誤りだと思う。なかなか数が合わなくて
途中からのぼせてクラクラしてくるし、冷や汗かなにかわからないものが吹き出してくるし、頭がガンガンして
くるし、いとくるし。選句後、常に携帯している頭痛薬を飲み、こんな情けない頼りない選者でごめんなさい、と
思いながら披講に臨んだのでした。
わたしが特選に選んだ句
潜むには大きな音を出すカバン 川添郁子
「潜む」という題だと、○○が●●に潜むという単純な句になりがち(取り合わせ如何でおもしろい句になる)
ですが、この句は潜む場所の説明をちゃんとしてくれてありがとう、と思いました。ありがとうと思いながら
大きな音を出すカバンてどんなんやねん、とも思いました。人が潜むにはカバンは小さすぎだし、じゃあ
人が入れるくらいのカバンだと考えたら、それがそこにあるだけでばれてしまう。そんなツッコミを一瞬にして
済ませたあとは、そもそも大きな音を出すカバンて、と結局そこに戻ってくるのです。大きな音を出すカバン
を選ぶということは、そこに潜んでいるモノはそこそこ大きな音を発しているんでしょうし、大きな音「が鳴る」
ではなくて「を出す」ということでカバン自体に肉体や生を感じてしまう。
なんとも不思議なおもしろさを醸し出す句です。
普段から句会でご一緒している、近しい選者さんが多かったせいか、特に気負うこともなく(無意識には
気負ってるんでしょうが)投句できました。
今回の共選、いつもより重なりが少なく、それぞれの選者さんの個性が出た、よい大会だったと思います。
脱水(脱汗)による熱中症気味の選のあとのビールは最高に美味でした。
街中の鳥が主義なら潜むだろうね (潜む・軸吟) 陽子
太陽に月を翳して初潮あるある (太陽)
胸骨がゆがむ金魚をこじらせて (姿勢)
火葬場のふっくらとした高低差 (高)
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