川柳もと暗し

人はきれいなおねえさんの毛と骨抜きを毛抜きとし
て使うことには寛容な生き物である。
これが今回のブログの結論である。
しつこく前回のつづき。
いつも自分でもこれはどうなんだろうと思いながら
使いまわししているものがある。毛抜きだ。まゆ毛
を揃えるときのアレ。アレと魚の骨抜きを兼用して
いる。形状も同じだし、細くて指では抜きにくいも
のを抜くという用途的にも全然間違っていない。
もちろん骨抜きとして使う前と使った後はせっけん
でしっかり洗う。
それでも無理という人は想像してほしい。きょうの
この鯵、ガッキーや石田ゆり子が使った毛抜きで
骨抜きしました、なんて言われても全然いやじゃな
い、というかむしろ食べたい。
それにもし骨抜きしかなくて、ちょっとこの毛抜き
たいねんけどこの骨抜き使わせてってなった時、
あんたがいいんならいいけどってなる。
そう、で、冒頭の結論に至ったわけである。
それはそうなんだけど、実際毛抜きで骨抜きをしな
がらやっぱり抵抗を感じる理由はただひとつ、それ
を食す家族がわたしの毛をどう感じるか、なのであ
る。


　　鬼燈をふふむ密告者にならず　　　ようこ

五十肩になって背中が掻けなくて不便なので孫の
手が欲しいという話は以前書いたと思うんだけど、
なるべくものを増やしたくない性分なので、だいた
いのものは代用品で済ますことにしていて、孫の
手の代わりは雨戸を引き下ろす棒で、ちょっと長
すぎるきらいはあるけど、掻き心地が案外よくて
愛用していた。
それを自慢の自虐ネタとして友人に話していて、
それにしても昔はそんなに背中が痒くならなかっ
たよねと言えば友人は、やっぱり歳いって体が乾
燥して痒くなるんじゃないかと言う。だからお風呂
上りには体中保湿クリームを塗るのだと言う。え、
背中はどうするん？って聞くとものさしの先にクリ
ームをつけて、背中に塗りたくるらしい。負けた。
その後わたしは、伸縮可能孫の手というものを見
つけ、いやこれ、筆箱にでも入るんじゃないかとい
うくらいコンパクトなもので、これならと即買いし
てしまった。オウンゴールの大負けである。


　　孫の手で塗るバターと苺ジャム　　ようこ

桂川の濁流にどよめきながら、屋根のブルーシート
を憂いながら、わざわざこんな日に行かんでもとあ
きれながら、別に行ったらあかんこともないやろと
居直りながら、運転再開した阪急電車に乗ってふら
すこてんに行く。
途中、吉野家デビュー。安くて美味しくて、そらヨ
シギューヨシギュー言うわと感じ入る。
句会はリハビリ中なので、おとなしく参加。２次会
以降を漢字二文字で表すならば「反動」。
帰りは寝すごし梅田まで。（with N)



先端でまさぐっている物語　　　ようこ
竹串の先に密着取材する
紙がなかったので菜っぱで拭きました
覗いてはいけないパパのカイワレ菜
すなわちきみ栄養失調の名札
名誉とは欲望とは　生理がおわる
羊羹を斜めに切ったのは誰だ
メンヘラもメルヘンも斜めにスキップする
分度器の喜ぶ顔が見たかった
その交尾イーハトーブにこだませよ

暑いです。ですので涼しい話をすこし。
洗顔してたんですね、朝。生え際のとこ、石鹸が
残らないようにしっかり、、え？うん、しっかり、
え？あれ？指が憶えている生え際より、、、え？
もともとおでこは広めなんですけど、え？こんな
広かったっけ、おでこ。
ヒュウゥゥゥーーーーーー。
一瞬北風。


　　大阪の生え際輪廻から外される　　　ようこ