雨曜日 

2020/06/10
Wed. 12:06

広瀬ちえみさんの句集。
タイトルの文字の雨つぶがかわいくて、表紙のブルーのなかの黒が効いている。

ちえみさんの句はわかりやすい。いや、なんか違う。川柳でわかりやすいと言えばあまり褒め言葉にならないからなー。最近よく使われるあれ。「いい意味で」わかりやすい。いや、そんな取ってつけた言い方はよくないです。しいていうなら若い子がよく使う、わかりみ。これがいちばん近いかも。
句の意味が理解(自分なりに)できて、その思いに共感できる、うんそう、わかりみが深いんだわ。

これはどういう意味やろ、とんな気持ちなんやろと考えなくてもそういうことなんやろなあとわかるので、読んでるんるんしてればいい。句集を読んでるんるんするなと教わったわけではないけれど、そういえば、わたし、るんるんしてこなかった。そんなことに気がついた句集なのでした。


  かんぶにもこんぶにもいいきかす ちえみ
  そのみちもどのみち雪になりますの
  棒をふる仕事と棒にふる仕事
  帽子ぬぎ靴ぬぎ光ることをする
  御神輿の端を持ってるふりをして
  楽器みな海水浴に行っており
  バイオリン畑のバイオリンが鳴る
  夜行性だから夜行性に会う
  あの鳥がほしいと言えば撃つかしら
  聞いていた話とちがう窓の位置
  なんみょうほうれんそうを一品に
  小鳥屋に死んだ小鳥の数を聞く
  午後からは豹が降るかもしれません
  ぶよぶよは相当深いところまで
  






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2020-06