ふらすこてん10月句会 

2015/10/13
Tue. 16:58

三人選「音楽」

9点  ザックから第九を出してよくはたく 幸男
7点  音楽を抜いて小さな湖に      全郎
6点  音楽は豆炊く鍋に入れてある    柊馬
6点  霊安室から三味線が聞こえたが   祥文
5点  スカイツリーからご詠歌を散布する きゅういち
5点  ハモニカの穴は明日も友達だ    彰子

これだ!と思う句に出会えない時の選はなんでこんなに楽しくないのだろうか。
ここのところ、そういう状態が続いている。1句か2句は、まあ・・・これか・・な、という感じで選べるのですが、
あとは、わたしの中ではそれほど大差なく、その大差ないところでも、自分を納得させるようなその句をよしと
した理由があって選びたいのですが、なかなかそれも見つからないというのが最近のふらすこてんの現実です。

そして、高得点に選ばれた句も人の意見を聞いてなるほどと思えば少しはスッキリするんだけど、今回は
それもなく。
たとえば、
1句目川柳っぽい仕上がりになってます。でもなんでザックから?第九がベートーヴェンの第九だろうと
憲法第九条だろうと、だからなんなん?ク→九→く→くで韻を踏んでるかしらんけど、それで句意がおざなりに
なっては読み手はおいてけぼりをくらうだけ。

自分の句は棚の奥の奥の奥のほ~うに入れてますよ~。

音楽を抜いて小さな湖に?言葉でしか表現できない世界と誰かがおっしゃいましたが、それはつまり説明してるって
ことなんじゃないですか?言葉に書かれていないことを想像させるのが川柳のおもしろみなんじゃないですか?
3句目、音楽をもっと限定して欲しかった。ただの音楽だったら別に豆じゃなくてもいいわけだし。音楽では作者の
豆を炊くという営みに対する特別な思いが伝わってこない。
霊安室から三味線はおもしろいけど、これ575で作れなかったんでしょうか?
スカイツリーとご詠歌の取り合わせ。安易なくせにどや感が鼻につく。

こんなことを書いても結局これもわたしの偏見にすぎないわけで、読んでる人は不愉快でしょうし、書いた
わたしはスッキリするかと言えば、逆にむなしさが残るという、ああ、かなしきものをひとり漕ぐ秋の夕暮れ。
あ、一句できた。
夕暮れのかなしいものをひとり漕ぐ
あかん、あかん、抒情に走りすぎやし。

もしかしたら、ふらすこてんの句会から10日たっての報告というのは、こういう悶々とした気持ちの着地点が
見つからなかったからなのかもしれません。

ハモニカの句、いただきました。
穴がいいですね。音やメロディーや時間、それらをひっくるめたものが「ハモニカの穴」なんですね。
穴を外から見ているはずなのに、いつのまにかひとりぼっちでも安心していられる居場所としてその穴に
自分がすっぽり収まっているような気持ちになりました。穴のないものに穴を空けるのは簡単だけど、もともと
空いている見過ごしがちな穴をうまく使ったなあと思いました。
穴は友達。最悪(なんの?)これだけで十分なんです。そしてわたしは穴になりたい。


では、わたしの句、棚の奥の奥の奥のほうから取り出して、

姉として蝉の蛇腹を引っ張って
間引き菜がなれなれしくて困ります
秋がくるまで廊下に立たされる
父さんを壊した罪ですかこれは
関節を鳴らして柿は柿の木に
眼帯をしてりんどうのセピア色
アボカドのBGMが聞こえない
銃声やカーステレオに荒井由実


わ、めっちゃほこりかぶってるわ。けほっ。







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