ふらすこてん6月句会 

2016/06/08
Wed. 20:53

三人選「時」
9点  時計屋の時は座ったままである   喜八郎
8点  乾き切った蚊を古本は挟んだまま  ゆみ葉
7点  売名は食後30分までに      全郎
6点  茜雲時を一刷毛すくい去る     幸男
6点  急がないけどのけどにもある期限  八斗醁

時計屋の句、うまいいな~と思いました。川柳でうまいなあと言うと技術的にはねーという、どこか皮肉めいた
ところがあるのですが、この句はそれもあるんだけどうーんと唸らせるものがある。そういう句をうまいい句と
言います。(あ、わたしは、です)
時は座ったままとありますが、時計屋のご主人が座ったままの姿も想像できます。止まらない時計に囲まれて
いるのに、時は止まっているような、永遠に変わらないものを生み続けているような感じ。昭和のモノクロ映画の
ワンカットを見せられているような気分になりました。

そして、ゆみ葉さんの「古本に蚊」の句。祥文さん以外の選者さんお二人は入れてはりました。
祥文さんが定型にしようとは思わなかったのか、とよく言われるのですが、わたしもこの句については同じ意見です。
時計屋の句がうまいいとしたら、こっちはうまくないい、と言えます。祥文さんに添削をされていましたが、それに納得
できないのも分かります。作者がなにを伝えたいかということは分かってますから。
これは破調が抱えるリスクなんだと思います。破調にするなら読み手を煙にまくくらいの勢いが必要で、失速して
しまうと、読み手の方に破調にする理由を考えさせてしまう隙を与えてしまうんですよね。
逆に定型の場合は、あまりにすんなりとひっかかりどころがない句に陥らないために、いかに人との違いを出して
いくかが大切なわけで、結局どちらにしても推敲の努力が必要なのです。

わたしの句は落としどころがハッキリしすぎて鼻につくとおっしゃるゆみ葉さん。だからああはなりたくないと、あえて
下手さで勝負してるのかもしれませんね。
こんなこと書いてるけど、ゆみ葉さんのことちゃーんとリスペクトしてますから、みなさまご安心ください。




万札にパンツの線が透けている
潮干狩りセットを持って森へゆく
貝殻がかさばるコイロッカーベイビー
兄を擦ると兄嫁が詫びる
勇気をもって鼻の長さを確かめる
四つん這いです三十年前の水着です
時すでに眼孔に棲む蛇の声
少年に時は蝶なり狩られたし

[edit]

CM: 0
TB: --

page top

コメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top

2018-07