小津夜景句集『フラワーズ・カンフー』 

2016/11/10
Thu. 12:13

これまで小津夜景さんのブログや小論などを読ませていただいて、ダントツの印象が、この人
頭、いいんやろうなあ、です。ゲスな言い方ですみません。
だからその夜景さんの句集を読むということは、幼稚園児に哲学本を読めと言うてるようなもんで、
(いや、今も読まれへんけど)、句集を手にしばらく開くことができなかった。なんとか勇気を出して
ページを開く。


   
   あたたかなたぶららさなり雨のふる


たぶららさ。いい響きやな。聞いたことないけど。「たぶらかす」と「ぶらさがる」と「あぶらかたぶら」が
合体したような。
つまり「たぶらら」という形容詞の派生名詞「たぶららさ」だと思った。もちろん夜景さんの造語やと。

あたたかなたぶららさ。たたとらら。しゃぼん玉はしゃぼん玉同士がぶつかった時、割れないで引っ付き合う。
しゃぼん玉が丸いのも、割れないで引っ付き合うのも表面張力が働くからなのだそうだ。
夜景さんの俳句における言葉ひとつひとつがしゃぼん玉で、その表面張力によって引っ付き合ったものが
ひとつの句になっている。そしてひとつの句になった後もぎりぎりのところで不安定に安定は保たれている。

後日「たぶららさ」とは「タブラ・ラサ」で、《何も書かれていない書板の意》ロック
(イギリスの哲学者)の認識論の用語で、生まれながらの人間の心には白紙のように生得観念はないという
主張のたとえ、なのだと知った。(ほらね、あたしゃそんな言葉知らないよ。)

「たぶららさ」って何やろう、と調べようともしなかった自分のおこがましさをおおいに恥じた。
と同時に、こんなにもあたたかく清らな雨があることも知った。

   
 

   鳴る胸に触れたら雲雀なのでした   夜景



鳴くものと鳴るものにたいした差異はない。あるとしたらほんの少しのゆらぎ。
沁みる。  


   




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# |  | 2016/11/17 09:59 * edit *

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# |  | 2016/11/21 22:22 * edit *

11/17の鍵コメさま


いぬきことばにいぬかれたわがいちぶ拾った方は燃してください

ようこ #- | URL | 2016/11/23 11:59 * edit *

11/21 の鍵コメさま


こんにちは。メール送らせていただきました。
迷惑メールに紛れ込む癖があるそうなので、見つけてやってください。
返信は不要ですので。

ようこ #- | URL | 2016/11/23 12:04 * edit *

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